2021年7月28日 | お役立ち情報
【枕の洗濯】素材別にお手入れ方法を解説。低反発枕は乾かない?
枕には、汗やヨダレなど目に見えない汚れが染み付いているものです。お手入れ方法がよく分からないという方も多いかもしれませんが、素材によっては自宅で洗うことも可能です。
そこで今回は、洗える枕・洗えない枕の素材の違いや、お手入れ方法について詳しく解説いたします。また、乾きにくいという特徴を有する低反発枕を洗ってしまったときの対処法や、適切なお手入れ方法についても合わせて解説いたします。
さらに、布団の湿気やニオイをカットできる「激乾 ふとん除湿・脱臭シート」についてもご紹介いたしますので、枕と一緒にお手入れする際の参考にしてください。
見えていないだけ?枕は雑菌だらけ
一見きれいな枕でも、目に見えないところに雑菌やダニが潜んでいます。枕カバーを使っているからと安心するのは禁物。1年365日、6~8時間も使っている枕には、汗やヨダレが染み付いています。これが雑菌やダニの温床となり、ニオイや肌トラブルの元になるので定期的なお手入れが必要です。
枕は6ヶ月に1回程度洗濯するとよい
できれば6ヶ月に1回程度は、枕のお手入れをするのが望ましいでしょう。厚生労働省が定める「旅館業における衛生等管理要領」においても、「枕は6月に1回以上その汚れ等を除去するため丸洗いすることが望ましい」とされています。もちろんこれは、不特定多数の人が宿泊する旅館の場合です。自分だけが使う枕なら、もう少しお手入れをするスパンを長くしてもよいかもしれません。
清潔な枕は、体調や肌トラブル、眠りの質によい影響を与えます。とはいえお手入れを頻繁にしすぎると、枕を傷める原因になりかねません。お手入れが適切でなければ使えなくなってしまう場合もあるため、その頻度や方法には細心の注意が必要です。
自宅で洗える枕かどうかは素材をチェック
洗えるか洗えないかは、中の素材で異なります。水にぬらすのに適さない素材もあるので、枕のお手入れをするときは事前にチェックしましょう。
洗える素材
洗濯機洗いまたは手洗いのできる素材には、次のものがあります。
- パイプ
- 洗えるビーズ
- ポリエチレン
- コルマ・ミニボール
これらは基本的に水洗いのできる素材です。どうしても肌触りや寝心地、デザインを重視しがちですが、お手入れのしやすさで枕を選ぶのも快眠を得られる重要ポイントといってよいかもしれません。
洗えない素材
水洗いできない素材には次のものがあります。
- そばがら
- 羽毛
- ウレタン
- 洗えないビーズ
そばがらや羽毛など動植物性の素材は、乾くのが遅いためカビも生えやすく、とてもデリケートです。また、低反発枕の素材として使われるウレタンは、水にぬらすことで低反発力が弱まり、破れやちぎれの原因となるので注意しましょう。
不安なときは洗濯表示を確認する
枕のお手入れをするときは、素材が分かっていても洗濯表示をよく確認しましょう。「洗えるビーズ」「洗えないビーズ」のように、同一素材でも洗えるものと洗えないものが存在します。これはビーズに限らず、パイプや羽根の枕でも考えられることです。
また、使っている枕の素材が分からない場合もあることでしょう。洗濯表示を確認すれば、枕を傷めずにお手入れすることができるのです。
枕の基本的な洗い方
「洗える」「洗えない」のチェックができたら、実際に枕を洗ってみましょう。ここでは、洗濯機洗いと手洗いの方法、そして洗えない枕のメンテナンス方法を解説いたします。
洗える枕|洗濯機編
ポリエチレン素材は基本的に洗濯機で洗うことができます。ただし、事前に洗濯表示を確認しましょう。洗濯機で洗える枕であることが確認できたら、次のものを準備します。
準備するもの
- 洗濯ネット
- 中性洗剤
枕だけを洗う場合でも、洗濯ネットは必ず使用しましょう。洗濯中に中綿が出てしまうリスクがあります。ファスナーもしっかりと閉めるのがポイントです。
洗濯手順
洗濯機で洗うときは、次の手順でおこないましょう。ただし、枕が大きいと洗濯槽内で回転しないケースもあります。この場合は、手洗いに切り替えましょう。
- 枕カバーから枕を取り外す
- 強い汚れやシミがある場合は、洗剤を染み込ませて浮かせる
- 洗濯ネットに入れる
- 洗濯機に入れる
- 中性洗剤を所定の位置に入れる
- 「手洗い」「ドライ」など、やさしく洗うコースを選ぶ
- すべての工程が終了したら取り出し、中素材をたたいて均等に整える
- 天日干しをする
洗濯ネットに入れるとき、枕本体のファスナーも閉まっているか確認しましょう。開いていると中の素材が出て、形を整えるのが大変になります。また、枕が完全に乾燥するまで4~5日要する場合も考えられます。完全に乾かさないとカビが生えるおそれもあるので、中までしっかり乾燥しているか確認してから使うとよいでしょう。
洗える枕|手洗い編
ビーズやパイプの素材は、手洗いがおすすめです。洗濯表示を確認し、手洗い表示があった場合の洗い方は次のとおりです。
準備するもの
- 中性洗剤
- 枕が入る大きな洗面器(洗面所の洗面ボウルでもOK)
- ぬるま湯
洗濯手順
- 枕カバーから枕を取り外す
- 強い汚れやシミがある場合は、洗剤を染み込ませて浮かせる
- 洗面器や洗面ボウルにぬるま湯をはる
- ぬるま湯に中性洗剤を入れて混ぜ溶かす
- 枕を染み込ませ、全体をもみ洗いする
- 泡が出なくなるまで、すすぎ洗いをする
- 水を押し出すように脱水する
- 中素材をたたいて均等に整える
- 陰干しをする
枕全体を洗うのは、思いのほか重労働です。強い汚れやシミの部分だけに洗剤を付けて洗うと早く乾燥し、カビの発生も防ぐことができるのでおすすめです。また、バスタオルで枕の水分をよくしぼり取れば、早く乾燥できます。
洗えない枕
洗えない枕に適したお手入れの方法は、定期的に外干しして乾燥させることです。湿気やイヤな匂いが取れて、枕を清潔にキープできます。
理想的な方法は天日干しです。しかし、天日干しが適さない素材もあるので、その場合は風通しのよい場所で陰干しをしましょう。
天日干しできる素材
- パイプ
- ポリエステル
- コルマ・ミニボール
- そばがら
太陽の光を浴びることで日光消毒の効果も期待できます。さまざまな面に当たるように返しながら干すと、ふかふかの気持ちよい枕になります。また、干したまま忘れてしまわないように注意が必要です。日が沈んでからも外に出しっ放しにすると湿気を吸収するため、遅くとも15時くらいには取り込みましょう。
陰干しが適している素材
- ビーズ
- 羽毛
- ウレタン
陰干しだけでも十分乾燥させることは可能です。それでも心配な方は、UVランプ付きの布団クリーナーがおすすめです。枕を温め、ダニやハウスダストの発生を抑える効果を発揮します。
低反発枕は洗える?低反発枕のお手入れ方法
頭を包み込むかのような柔らかい弾力が魅力の低反発枕。使っている方も多いと思いますが、中の素材は水洗いのできないウレタンです。ここでは、低反発枕のお手入れ方法や、洗ってしまったときの対処法を解説いたします。
低反発枕を洗ってはいけない
弾力性があり、一見スポンジのような低反発枕は、水で洗っても大丈夫と思われがちです。しかし、洗濯機洗いだけでなく手洗いも避けたほうが無難です。なぜ洗うのを避けたほうがよいのか、ウレタンの特徴について確認しましょう。
水にぬれると破けやすい
ウレタンは、小さな気泡が連続するスポンジ状の構造で、水に浸すと限りなく吸収するという特徴をもちます。そのため非常に重く・強度も弱くなり、持ち上げたときに裂けてしまうのです。
また、ウレタンは水に触れると加水分解し、硬化や軟化、変形などの性質変化を起こします。ときには、それほど力を加えなくても粉々になったり割れたりし、枕そのものの劣化につながるのです。
乾かない性質が雑菌やカビの発生原因
低反発枕は吸水性と保湿性に優れる反面、通気性が悪いという特徴を有します。いったん水にぬれると非常に乾きにくく、ぬれた状態がしばらく続いてしまいます。
また、通気性が悪いということは熱がこもりやすいということです。湿気と熱のある場所は、雑菌やカビの温床となります。つまりぬれたままの状態が続きやすい低反発枕には、カビが生えやすいということが分かります。
間違った乾燥方法による劣化
低反発枕は、熱や紫外線でも分解されてしまいます。早く乾かしたいからと天日干しをしたり、雨の日だからと乾燥機で乾かしたりすると、劣化を進めてしまうのです。
肌触りがゴワゴワして固くなり、包み込むような本来のもっちり感がなくなってしまうので、低反発枕を乾燥させるときは「陰干し」が必須です。
低反発枕を洗ってしまったときの対処法
「まさにいま、低反発枕を洗っているところ」という方は、次のような対処法を取ってみましょう。
- 洗濯機で洗った場合は、脱水前に取り出す
- 押し出すように圧力をかけて水を絞り出す
- 平置きの状態で陰干しする
低反発枕が水にぬれた状態は、非常に強度が弱くなっているので、さまざまな方向から力のかかる脱水は破損の原因です。脱水の工程に入る前に取り出しましょう。
枕から水を絞り出すときは、全体に圧力がかかるように押し出します。ある程度の水分が出たら清潔な乾いたタオルで包み、同様に押し出しましょう。そして直射日光に当たらないよう、陰干しをします。枕ハンガーなどがあると通気性もよくなるので便利です。
低反発枕のお手入れ方法
洗えない低反発枕は扱いにくいと思う方もいるかもしれません。実は、お手入れはとても簡単です。
- 起床後に部屋を換気して乾燥させる
- 布用の消臭除菌スプレーを使う
- ホコリなどのゴミを除去する
- 枕カバーとタオルを清潔にする
一番大切なのが、こまめに乾燥させるということです。陰干しでよいため、わざわざ外に運ぶ必要もなく、風通しのよい部屋の壁に立て掛けておくだけでも効果的です。冬や梅雨など乾燥させにくい時期は、サーキュレーターや扇風機で風を当てるとよいでしょう。ストーブの前で乾燥させるのは、熱で分解を起こしてしまうので注意が必要です。
寝具の大敵「湿気」を天日干しで乾燥できないときは
枕に限らず、1日の疲れをリセットする寝具は清潔にしておきたいものです。布団は湿気のほかに寝ているときの汗も吸収し、放っておくと雑菌やカビの温床になりがちです。湿気や寝汗を乾燥させるには天日干しが一番ですが、それはお天気次第というもの…。
そこでおすすめなのが、フマキラーの「激乾 ふとん除湿・脱臭シート」。フルシーズン、布団を快適管理。敷布団やベッドマットの下に敷くだけと使い方も簡単です。湿気が溜まってきたら天日干しするだけで、再利用も可能です。寝具の湿気やカビでお悩みの方は、ぜひ使ってみてください。
枕を清潔にして快適な睡眠を
適切にお手入れすれば、枕を清潔な状態にキープできることがお分かりいただけたことでしょう。お手入れで最も重要なのは、よく乾燥させることです。洗える枕もそうでないものも、しっかり乾燥させると雑菌やカビの繁殖を抑えることができます。また、洗えない枕でもよく陰干しすれば、嫌なニオイを取り除くことが可能です。
枕を清潔にすることが、良質な睡眠を得るための第一歩です。適切な方法でお手入れして、ふかふかの枕で快適な眠りを手に入れましょう。