2017年9月15日 | 園芸・ガーデニング
ガーデニング初心者要注意!こんな害虫、こんな病気
ガーデニングをスタートしたい!でも、害虫や病気は困りもの。そこで、ガーデニングで注意したい病気や害虫を紹介します。
植物の病気や害虫は早期発見、早期対処が大切
人間の病気もそうですが、言葉を発することができない植物だからこそ病気や害虫は早期発見、そして早期対処を心がけたいものです。そこで、まずは病気や害虫の発見にも役立つ植物の日々の観察を覚えておきましょう。
観察ポイント① 葉
色をチェック!
葉が白くなっている場合は、カイガラムシやウドンコ病の場合があります。
葉が全体的に変色する場合は、多くは生理障害です。肥料などのバランスを調整したり、日当たりなどを考えるといいでしょう。葉が縮れ全体に萎縮している場合は、ウイルス病が考えられます。
カタチをチェック!
コブのような物ができていたり膨らんでいる場合は、アブラムシやもち病、縮葉病が考えられます。また、葉が巻いたり、つづり合わされている場合は、ハマキムシなどのケースが考えられます。その他にも、葉の緑色が抜け、表面が白くカスリ状になったり、葉裏に黒い物が付着している場合は害虫のケースが考えられます。
観察ポイント② 花・つぼみ
食害をチェック!
花弁のあちこちが食べられている場合は、ナメクジ、コガネムシに食害されている場合が考えられます。
花弁のシミをチェック!
白い花弁に赤色系、有色の花弁には白色系のシミが出るケースは、灰色かび病。また、カスリ状のシミならアザミウマ、褐色のシミの場合は花腐菌核病のケースが考えられます。
花の形状をチェック!
芽の部分が萎縮している場合は、ホコリダニ。触ると小さな虫が飛び跳ねるケースはアザミウマの被害が考えられます。
観察ポイント③ 果実
実の落下状態をチェック!
カキの実が落果するケースはカキノヘタムシガが原因だと考えられます。
また、植物生理現象のケースもあります。
実の中を食べられているかをチェック!
糞がついている場合は、トウモロコシや果樹ではメイガ。トマトやピーマンによく見られるのはタバコガ。その他、周囲に白い粘液が残っているケースはナメクジやカタツムリの被害だと考えることができます。
腐り方をチェック!
トマトで実の先端が黒くなっている場合は、尻腐れ症が考えられます。
観察ポイント④ 茎
枯れ方をチェック!
地際部分が細くくびれて倒れる場合は、苗立枯病が考えられます。
茎の変色をチェック!
ヤニを分泌し、裂け目ができ、根も変色腐敗するケースは、つる割病の疑いがあり、またヤニを分泌し、やがて多数の黒色小斑点が現れる場合はつる枯病、地際部が腐敗しているケースでは軟腐病、さらに地際の茎が変色して枯れる場合は立枯病、白いカビに覆われネズミの糞状のものが付着している時は、菌核病が考えられます。
茎の中をチェック!
茎の中が空洞で虫糞が多数ある場合はメイガ、糞がない場合はキクスイカミキリの被害だと考えることができます。
観察ポイント⑤ 株元と全体
生育状況と枯れ方をチェック!
そのまま枯れる場合は、球根に白い小さい虫がいる場合はネダニ。ヒョロヒョロとなった場合は、日照不足が原因だと考えられます。全体が褐色に変色して立ち枯れを起こす場合は、基本的には、立枯病。葉が青いまま立ち枯れを起こす場合は、青枯病。根に白いカビがある場合は、白紋羽病の疑いがあります。
球根をチェック!
植えた球根が腐っている場合は、球根腐敗病や害虫や害獣にかじられ、そこから球根がダメージを受けたと考えることもができます。
地際部をチェック!
白いカビのようなものがついている場合は、白絹病の疑いがあります。
株元をチェック!
株元が盛り上がり、アリが株元に出入りしている場合はイチゴネアブラムシの被害が考えられます。
観察ポイント⑥ 根
コブの有無をチェック!
植物を抜いてみたら、根に白いコブが無数についていた場合は、コブセンチュウ(センチュウ)の被害が考えられます。
細根の有無をチェック!
植物を抜いてみたら、細根が無くなっていた場合は、イモムシ状の虫がいたら、コガネムシの幼虫に食害された恐れがあります。
その他にも、植物のダメージには、野良猫、野良犬、ネズミ、モグラ、その他のタヌキなどの獣による被害、あるいは化学物質等の破棄が原因のケースもあります。
植物の害虫&病気のメンテナンス
【害虫編】
アブラムシ
新芽、葉の裏、茎(枝)等に見られる。ごく小さい虫で、いろんな種類がいます。植物から汁を吸うため、植物の生育が悪くなったり、葉が縮れたり、ウイルス病やすす病などを媒介します。発生時期は2~10月頃。種枝幹に卵を産みつけ越冬します。5月や9月頃に、飛来し、卵を産みつける。初期の段階であれば「歯ブラシ」等でこすり落とせば取れますが、農薬の使用をオススメします。防除法として、月1回程度農薬散布がいいでしょう。ただし、同じ薬剤を使用すると耐性を持ってしまうので注意が必要です。
ハダニ(アカダニ)
足が8脚で、本当に小さいクモに似た害虫。葉の裏などにつき、葉っぱや茎などから汁を吸うため植物の生育を阻害します。高温乾燥を好み、多湿を嫌うため、葉水などで予防できます。発生は5~10月頃。殺ダニ剤等を使うといいでしょう。
スリップス
黄色や黒っぽい1.5mm程度の細長い害虫で4月~秋頃によく発生します。花の被害が多い葉の裏や花弁等から汁を吸うので花色が悪くなります。高温乾燥を好み、ウイルス病を伝染します。予防は葉水を与えたり、株元に「敷きわら」が有効です。
コナジラミ
別名ホワイトフライとも呼ばれる1mm位の白い虫です。5~10月花物につくことが多く、葉の裏などにつき、汁を吸うため植物の生育を阻害したりします。卵により増えつづけます。農薬散布をすることで予防可能。とくに、葉裏も忘れないように散布しましょう。
グンバイムシ
3mm位の黒っぽく透明な虫で、羽があり小さいハエのようにも見えます。葉に寄生します。農薬を葉裏に散布するとよいでしょう。
アオムシ、イモムシ、毛虫類
やわらかい花や葉っぱなどを食害します。薬剤で駆除するか、箸などでつまんで駆除する。
ハマキムシ
別名はハマキガ。30mm、緑色位で、葉を巻き、その中に潜みます。巻いてしまう前に、薬剤を散布しましょう。
ヨトウムシ
名前の通り、夜に活動します。昼間は見つけにくいです。大きくなる前に駆除することが大切です。
ネマトーダ(センチュウ)
1年中根っこにコブを作ったり、根を腐らせたりします。マリーゴールドにはつかないので、近くにマリーゴールドを植えると予防できるとされています。
カイガラムシ
種類が非常に多く、白い粉のようなものから、堅い殻を持つものまでさまざま。枝や葉っぱに付く。薬剤で予防するとよいです。
カミキリムシ
テッポウムシともよばれている幼虫期に樹皮や幹の根元部分を食害する。枯れたり、生育が悪くなったりする。
チャドクカ
初夏頃葉っぱの表面を食害し、葉っぱの表面が透き通って見えたりする。駆除する際には、毒を持っているので、注意が必要。
【病気編】
灰色かび病
発生時期は3~12月つぼみや花、葉っぱなどで発病します。風通しの悪い場所や低温多湿な場所などで、多発します。カビがついた部分は、取り除き、殺菌剤を散布しましょう。予防は、株を清潔に保ち、風通しの良い場所に置くようにすることです。
うどんこ病
発生時期は5~10月花や葉っぱ、新芽などに、菌糸と胞子で白い粉をまぶしたようになります。植物は枯れたりすることはあまりありません。防除には、冬場の石灰硫黄合剤など。
ウイルス病
発生時期は一年中。葉っぱ等にモザイク状の斑点などが出て、縮れたりします。枯れはしませんが、成長が悪くなります。高温乾燥時に発生しやすくなります。アブラムシが媒介しますので殺菌、殺虫剤が有効です。
白絹病
株元に白い菌糸が発生し、根等が腐って枯れてしまいます。薬剤で予防駆除ができます。
すす病
発生は1年中。葉っぱの表面等に黒いすす(カビ)がつく。アブラムシやカイガラムシの分泌液により繁殖します。植物を風通しの良い場所へ置くことで防除できます。
農薬使用上の注意
薬剤を購入する際は、店員などに状況を詳しく説明し、散布方法を守るようにしましょう。とくに、ハーブや野菜、果樹などで使用する場合には、使用上の注意を良くお読みになり、濃度や回数等を間違えないようにすることが大切。また、使用後の注意事項も守るようにしましょう。
また、家庭用の薬剤は、一般的なものですが、購入時、確認が必要です。また、保管する場合には、高齢者や子供の手に届くような所には置かない、またペットが誤飲しないように注意しましょう。
万が一のトラブルが発生した場合は、農薬を持ってお近くの病院、中毒センター等に連絡を。素人判断は禁物です。
最後に
害虫や病気のトラブルは植物を育てる場合には切り離すことができません。毎日観察して、早期発見、早期対処で楽しいガーデンニングライフを送ってくださいね!