【冬こそ換気】部屋の換気の仕方!効果やメリット

【冬こそ換気】部屋の換気の仕方!効果やメリット

暖房器具などを使用する冬場はとにかく換気がおろそかになりがちです。「部屋の中が寒くなるから換気をしない!」という方もいます。

しかし、換気を長期間実施しない室内の空気は人にも住宅にも悪影響を与えます。今回は冬の換気の重要性や基本的な換気方法をまとめましたので解説します。

冬に部屋の換気が必要な理由とは?

冬に部屋の換気が必要な理由とは?

「冬こそ換気をしなさい」という言葉はよく聞かれますが、なぜ寒い季節にわざわざ換気をする必要があるのでしょうか?ここでは冬の換気の必要性やメリットなどをご紹介します。

呼吸に必要な空気を供給できる

当然ではありますが、私たち人間が呼吸をするには新鮮な空気が必要になります。人が1日にする呼吸回数は約2万5,000回、1人あたり1時間に6畳分の空気が必要になるといわれています。

詳細は後述しますが、適切な換気が行われていない部屋の空気は汚染が進んでいます。ひと昔前の日本家屋はわざわざ窓を開けて換気をしなくても、ある程度換気ができる造りになっていました。

しかし、現代の住宅は使用材料の改良や新しい工法により、気密性が高まった造りになっています。つまり窓を閉めきった状態だと汚れた空気が室内に蓄積されやすいということです。

汚染された空気を吸い込めば、体にあらゆる害を与える可能性もあります。呼吸維持に必要な新鮮な空気を供給し、汚染された空気を排出する。これが換気の大きな目的となります。

ハウスダスト・ウイルスなどの除去

適切な換気は部屋の中に潜むハウスダストやウイルスなどを除去する効果もあります。ハウスダストとは衣類の繊維のクズ、ダニの死骸やフン、犬や猫などのペットの毛、カビ、細菌などのことを指します。

また冬のウイルスというとインフルエンザウイルスが代表的です。ハウスダストは放置しておくとアレルギー症状やぜんそくを引き起こす原因にもなり、インフルエンザウイルスは、高熱など一歩間違うと命の危険に陥るほど重症化することもあります。

一般的にハウスダストやウイルスは軽くて空気中を舞いやすいという性質を持っているため、人の動きに合わせてさまざまなところに移動します。そのため、換気をしない部屋にいる限りは常にハウスダストやウイルスが含まれた空気を吸っている可能性があります。

ちなみにすでにインフルエンザにかかっている人がいた場合、その人の咳やくしゃみから出たインフルエンザウイルスは空気中を2時間~3時間ほど舞うともいわれています。

適切な換気を施すことで、これらハウスダストやウイルスも部屋の外に排出することができるため、健康な体を維持しやすくなるというメリットがあります。

結露防止

換気をしない家の中には人の呼吸、調理、加湿器の影響で大量の水蒸気が発生しています。この水蒸気を放置しておくと湿度が高くなり、外気と室内の温度に寒暖差が生じるため、結露が発生することになります。

結露は放置しておくとカビの原因にもなりますし、壁紙や建材を傷めます。ちなみに結露によって発生したカビはダニのエサになるため、ダニの大量繁殖を招く可能性も高まります。

つまり結露はアレルギーの原因となるハウスダストを増加させる要因にもなるということです。換気は室内の湿気が含まれた空気と外の空気を入れ替えることができますので、結露を防ぐ上では非常に有効となります。

正しい部屋の換気方法を解説

正しい部屋の換気方法を解説

冬の換気は自身の健康や家の寿命を延ばす上でも大切です。ここでは正しい部屋の換気方法をまとめましたのでご覧ください。

2ヵ所の窓を対角線上になるように開ける

換気というと部屋の1ヶ所の窓だけ開ける方が非常に多いです。もちろんこの方法も無対策よりかは一定の効果を見込むがことができますが、効果的な換気という点から見ると不十分です。

換気を行うときは「空気の流れを作る」ことを意識してみましょう。最も理想的なのは対極にある2ヵ所の窓を開けることです。2ヵ所以上の窓を対角線上に開けることで、自然と空気(風)の通り道ができて新鮮な外気を取り込むことができます。

ちなみに部屋の対角線上に窓がないという方もいます。このような場合は「高低差を活かした換気」を行ってみましょう。空気は温度が高ければ上へ昇り、低ければ下に下がるという性質を持っています。

つまり低い位置の窓と高い位置の窓を開けておくことで、温かい空気が上の窓から排出され、冷たい空気が下の窓から入るようになります。この方法は温度差を利用した換気法であることから「温度差換気」とも呼ばれています。

空気の入口となる窓を少し開け、出口は全開にする

換気に詳しくない方がついついやってしまいがちなのが、窓を全開にすることです。たしかに窓を全開にすればより多くの新鮮な空気を取り込めそうな印象があります。しかし、窓を全開にしたからといって空気が動くかといったらそうでもありません。

強風の日であれば窓を全開にした分、風の力によって多くの外気を取り込むことができますが、風が弱い日は室内の空気を動かすことは難しいです。最悪の場合は空気がまったく入れ替わらずに室内が寒くなるだけといった状況を招く可能性もあります。外気の入口となる窓は少しだけ(5㎝~15㎝ほど)開けるようにしましょう。

一方で空気の出口となる窓は全開にしておくことをおすすめします。空気などの流体は「入るときは小さな隙間のほうが勢いよく入る」「出るときは広い隙間のほうが小さな力で出ていく」という特徴があります。

つまり入口の窓を小さくし、出口の窓を大きくすることで効率的に空気を動かすことが可能になります。

換気に慣れない間は空気の流れが読めないことがほとんどです。そのため、定期的に換気を行い、空気の流れが把握できるようになったら窓の開け幅にも気を配るようにしましょう。

空気が流れにくい場所は扇風機などを使用する

空気が流れにくい場所は扇風機などを使用する

空気を動かすには窓を開ける、換気扇を有効活用するといった方法があります。しかし、窓の開閉や換気扇を使用しても空気が動きにくい箇所、よどんでしまう場所が出てきます。

このような箇所には扇風機やサーキュレーターを使用するようにしましょう。サーキュレーターは直進する風を生み出す装置で、換気を行なうには非常に適しています。

換気の時間は5分~10分

換気を行うときは30分、1時間ぐらい行うのが理想という声もありますが、適切な換気方法を実践していれば1回の換気は5分~10分ほどで十分です。適切な換気とは先ほども取り上げたように、空気の通り道を確保できた換気のことを指します。

換気は間違った方法だと30分、1時間行っても大きな効果を得ることができません。それどころか室内の温度が急激に下がり、体調を崩すことも考えられます。風の通り道を確保した環境を整え、室内の温度はできるだけ下げない換気を心がけるようにしましょう。

晴れた日の湿度が低い時間帯に換気を行う

冬に発生する結露は「室内に湿気が多い」「室内外の温度差が大きい」ことが原因です。つまり結露を防止するには無換気で部屋の中に溜まった水蒸気を外に排出する必要があります。

一般的に晴れの日というのは湿度が低い環境が整っているため、カラッとした新鮮な空気を取り込み、水蒸気を含んだ室内の空気を排出することができます。

また1日の中で湿度が低い時間帯は12時~14時(冬場の場合)です。湿度が高い日に換気を行うと、水蒸気を多く含んだ空気を室内に取り込んでしまうため、結露発生の原因にもなります。換気は空気が快適な晴れの日に行うようにしましょう。

家具などは壁から少し離す

家具配置などで多くの人がやってしまいがちなのが、家具の背中と壁をぴったりつけてしまうことです。家具と壁の間にスキマがないということは空気の通り道がないため、湿度が高い状態に陥りやすいです。

その結果、湿度が高い場所を好むカビなどが発生するようになります。このような理由から家具類などは壁から少し離して配置するようにしましょう。目安としては家具の裏側と壁の間が5㎝ほど離れていると理想です。また床面もすのこを敷くなどの対策を施すことで、空気の通り道ができやすくなります。

空気清浄機を使用する

今や空気清浄機は一家に一台ともいわれている時代です。この空気清浄機ですが、本体内のフィルターに空気を吸い込み、ろ過することで室内の粉塵などを除去することができます。

つまり空気清浄機を使用することでダニやハウスダストを効率的に除去できます。もちろん空気清浄機は日々の掃除で取り除けなかったホコリやダニを除去するという補助的な役割です。

小さな子どもがいる家庭ではアレルギーの不安が常につきまとうため、換気によるハウスダスト対策が行えない場合は空気清浄機の使用も検討してみましょう。

ただし、空気清浄機は私たち人間の息から吐き出される二酸化炭素の量を減らすことができません。室内の二酸化炭素濃度が高まると、酸素濃度が低下し、記憶力や集中力に悪影響を与えるともいわれています。

空気清浄機はハウスダスト対策に効果はありますが、換気効果は期待できないため、「空気清浄機+窓を開けた換気対策」を実施するようにしましょう。

換気扇を使うときも窓や自然換気口を開けておく

近年IH調理器の普及が進んでいます。IHは掃除がしやすい、火力調整が簡単、キッチンが暑くならないといったメリットがあり非常に人気です。しかし、IH調理器のデメリットのひとつに「上昇気流が起きにくい」というものがあります。

ガス調理器の場合は炎の熱によって上昇気流が発生するため、フライパンや鍋から発生した水蒸気や油煙が上に押し上げられ、換気扇の吸い込みも良好になります。

反対にIH調理器は調理によって発生した水蒸気、油煙が室内に留まりやすく、汚れやカビが発生しやすくなります。そのため、IH調理器使用の家庭では調理時に換気扇を「強」にしておくことをおすすめします。

またこれだけでは対策不十分となりますので、窓や自然換気口を開けることも大切です。ちなみに新鮮な空気と汚れた空気が入れ替わるまでには、多少の時間が必要になりますので換気扇は調理後もしばらくつけたままにしておきましょう。

寒い冬も新鮮な空気を取り入れて人と建物の健康を守ろう!

今回は冬場の換気についての基本を解説しました。寒い冬は窓を閉めっぱなしにする方が増加します。しかし、窓を閉めきった部屋の空気は非常に汚れており、体に悪影響を与える可能性も高いです。

またハウスダスト、結露など住宅の価値も下げてしまうデメリットも招きます。寒い冬場でも定期的に正しい換気を行ない、人と建物の健康を守りましょう。

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