2018年7月5日 | お役立ち情報
赤ちゃんの水分補給はいつから?タイミングや量について
赤ちゃんは普段、母乳やミルクを飲んでいますが中には「母乳やミルクだけで水分が足りているのかな?」と疑問に感じるママ、パパもいるのではないでしょうか。赤ちゃんは言葉を発することができないため、水分補給には十分に気を配る必要があります。
間違った水分補給をさせてしまうと、熱中症や脱水症状を引き起こす可能性があるからです。そこで今回は赤ちゃんの水分補給に関する情報をまとめましたのでご紹介します。
赤ちゃんは大人よりも汗っかき!
赤ちゃんはもともと大人よりも汗っかきといわれています。赤ちゃんが汗っかきな理由のひとつに新陳代謝が非常に活発であることが挙げられます。
新陳代謝が活発になると、体の古くなった物質が汗などに形を変えて排出されるため、赤ちゃんは汗の量が大人よりも多くなります。
また赤ちゃんは汗の出入り口でもある汗腺の数が、大人とそれほど差がありません。つまり大人よりも体表面積の小さい赤ちゃんは、肌の表面積に対する汗腺の数が多く、密度が高いということです。
赤ちゃんはこの新陳代謝の活発化と汗腺の数によって、大人の2倍~3倍もの汗をかくとされています。
汗をよくかくというのは体内の水分量が不足しがちになるということ。間違った水分補給をさせてしまうと脱水症状や熱中症にかかる可能性もあります。
したがって、子育てに励むママやパパは赤ちゃんの水分補給に関する知識をある程度身に付けておいたほうがよいといえるでしょう。
赤ちゃんの水分補給はいつから始めるの?
昔は病院からも低月齢の頃から水分補給をしたほうがよいとアドバイスされていたようですが、現代は水分補給の開始時期にも変化が見られているようです。ここでは赤ちゃんの水分補給を開始する時期、目安に関する情報を解説します。
新生児~生後2ヶ月頃まで
現在は生まれたばかりの新生児期間から生後2ヶ月頃までは、母乳やミルク以外の水分補給は必要ないという見方が一般的です。その主な理由としてはこの時期の赤ちゃんが必要とする水分、栄養はすべて母乳やミルクに含まれているからです。
したがって新生児~2ヶ月頃までの水分補給に関しては、赤ちゃんよりもママ自身がしっかりと行なっておきましょう。母乳の約8割以上は水分で構成されているため、ママ自身の体が水分不足になると母乳の質や量にも悪影響を与えることになります。
特に母乳育児の家庭では母乳の出が悪くなると、赤ちゃんも栄養不足や水分不足に陥ってしまう可能性があります。ちなみに授乳中のママの1日の水分補給量は冬は約3リットル、夏場は約4リットル~5リットルが推奨されています。
生後2ヶ月~生後6ヶ月頃まで
生後2ヶ月~6ヶ月頃までの期間も、基本的には母乳やミルクを優先して与えるようにしましょう。
ただし、気温が高い夏やお風呂上がりなどで汗をかく日もあると思います。そのようなときは補助的な意味で母乳やミルク以外の飲み物を飲ませてあげても問題はありません。
ちなみに昔は生後3ヶ月頃からは果汁などを与えてもよいとされていました。これは当時のミルクだけではビタミンや鉄分が不足してしまうため、その不足分を補う目的で果汁を与えるというものでした。
しかし、現代の粉ミルクは赤ちゃんの成長に必要な栄養素がバランス良く含まれています。そのため、最近では生後2ヶ月~6ヶ月頃まではよほどの問題が起きない限りは、母乳やミルクだけで十分という考え方が一般的となっています。
また前述の果汁に関してですが、生後3ヶ月~4ヶ月頃までに与えると、赤ちゃんによっては食物アレルギーを引き起こす可能性もあります。したがってこの期間は母乳やミルクが最も無難ということになります。
補助的な意味で別の飲み物を与える場合も赤ちゃんにとって安心、安全なものを飲ませてあげるようにしましょう(詳細は後述)。
生後6ヶ月以降
生後6ヶ月頃を目安にして、徐々に離乳食を始める赤ちゃんが多くなります。この離乳食が始まるタイミングで、母乳やミルク以外の飲み物も与えていくようにしましょう。
ちなみに母乳やミルク以外の飲み物を初めて飲む赤ちゃんは「吸って飲む」という動作以外の飲み方が初体験ですから、最初は戸惑ったり、むせてしまうこともあるかもしれません。
そのため、最初はスプーンで1杯ずつあげていくなどの工夫を施しながら、飲み物を与えることを推奨します。
赤ちゃんが水分補給をするタイミングは?
赤ちゃんの水分補給の時期に関してはわかりましたが、今度は「赤ちゃんに水分補給をさせるタイミングはいつ?」という疑問が出てきますね。ここでは赤ちゃんが水分補給をするタイミングについてまとめましたのでご覧ください。
外出中
気温が高くなる夏を中心に外出時は赤ちゃんも多くの汗をかきます。また外出先では自宅と違って、いつでも母乳やミルクをあげられるわけではありません。
したがって家族でお出かけするときなどは、いつも以上に赤ちゃんの水分補給には気を配ってあげる必要があるでしょう。赤ちゃんの体は約70%~90%が水分で構成されているといいます。ちなみに大人の体は約60%が水分です。
このようなことから赤ちゃんは大人よりも脱水症状を引き起こす可能性が高いため、夏場のお出かけシーズンなどはしっかりと赤ちゃん用の飲み物を持参しておくことを推奨します。
また帰宅後も外気温との温度差や疲労などから、水分を欲しがっている可能性が高いため、注意しておきましょう。
お風呂上り
赤ちゃんの新陳代謝は大人とは比べものにならないぐらい活発です。また、ただでさえ通常時の体温も高いため、お風呂上りは非常に多くの汗をかき、体内の水分量が減っている状態です。
特に夏場は赤ちゃん自身も「喉が渇いた」と感じている可能性が高いですから、お風呂上りの水分補給にも気を配っておくようにしましょう。ただし、授乳タイムによっては必ずしも水分補給が必要になるわけではありません。
具体的にはお風呂上りのタイミングで授乳タイムに入るケースなどがあります。このような場合は授乳によって栄養とともに水分も摂取できていますから、水分補給は特に必要はありません。赤ちゃんの様子を見ながら、臨機応変に対応していくことが大切です。
発熱時
発熱時の赤ちゃんは通常よりも多くの水分を必要とします。赤ちゃんが風邪をひいて発熱を伴うと体が大量の汗をかき、熱を下げようとするので、体内の水分量は減少します。
このようなことから発熱時の赤ちゃんはいつもよりも、脱水症状などに注意しておく必要があります。こまめな水分補給を心がけておくことを意識しましょう。
また発熱と同様に下痢や嘔吐の症状が見られたときも体内の水分量は減っているので、適切な水分補給を行うことが好ましいです。水分とともに失われる電解質を効率よく補えることができる経口補水液などは、水分補給としておすすめです。
赤ちゃんが出す水分を欲しがっているサインって?
赤ちゃんは大人と違って言葉を発することができないため、ママやパパは赤ちゃんが水分を欲しがっているサインをしっかりと見抜いてあげる必要があります。ここでは赤ちゃんが水分を欲しがっているときに出す主なサインを解説します。
泣く
赤ちゃんにとっての意思表示は泣くことです。泣くことでママ、パパに不満や体の不調を訴えていますから、赤ちゃんが泣いたときには原因を探ってみましょう。
赤ちゃんが泣く主な原因は「お腹が空いた」「喉が渇いた」「おむつが濡れて不快」「眠い・疲れた」などがあります。これらをひとつずつチェックしていくことで、水分を欲しがっているか否かがわかるようになります。
お腹が空いているケースでは母乳やミルクを与えると思いますが、この場合は水分補給も同時にできているので、他の飲み物は基本的に与えなくても問題はありません。泣くという赤ちゃんからのサインを見逃さずに、適切な水分補給を心がけるようにしましょう。
おしっこの回数が少ない
おしっこは赤ちゃんの健康のバロメーターです。おしっこのちょっとした違いによって、赤ちゃんの水分不足か否かも判断することができます。おしっこから赤ちゃんの水分不足を見極める場合は、まず回数をチェックしてみましょう。
赤ちゃんのおしっこの回数は新生児から生後1ヶ月で1日15回~20回、生後2ヶ月過ぎからは1日10回~15回が目安といわれています。もちろんこれはあくまでも目安の数字です。
季節の違いや1日に飲んだ母乳の量などによって、日々おしっこの回数にも違いが現れます。
したがって上の回数を過信するのは禁物ですが、目安の回数を大幅に下回る数字であったり、いつもよりも明らかに回数が少ないといった場合は、水分が不足している可能性があります。
極端におしっこの回数が少ないケースでは、軽度の脱水症状を起こしていることもあるので、該当する場合は赤ちゃんに飲み物を与えてみるようにしましょう。
赤ちゃんの水分補給でおすすめの飲み物
体がまだ未発達な赤ちゃんは飲み物の種類にも注意を払っておく必要があります。適切ではない飲み物を与えてしまうと、体調不良やアレルギーなどを起こすこともあります。ここでは赤ちゃんの水分補給でおすすめできる飲み物を2つご紹介します。
白湯
こちらは赤ちゃんの水分補給には定番の飲み物ですね。白湯とは水を沸かしただけで、何も入っていない湯のことです。冷たい水だと赤ちゃんの胃腸に負担がかかるので、人肌の温度ぐらいの白湯は水分補給にはぴったりです。
また、水を沸かすことで殺菌効果のある塩素の除去や煮沸消毒もできるため、未熟な体の赤ちゃんにも優しい水分補給ができます。
一般的に白湯は常温で半日~1日ほどは保存が可能とされています。一度口をつけた後は雑菌が増えるので要注意です。そのため、安全性を考慮して飲む容器と保存しておく容器は分けたほうがよいでしょう。
麦茶
麦茶も赤ちゃんのおすすめの飲み物として取り上げられることが多いです。麦茶が赤ちゃんの水分補給に推奨されている理由ですが、他のお茶よりも赤ちゃんの体に優しいためです。
麦茶は他のお茶と違って、カフェインが含まれていません。消化機能が未熟な赤ちゃんにとってカフェインは体にかかる負担も大きいです。
またカフェインが赤ちゃんの成長に悪影響を与える可能性もあります。このようなことから赤ちゃんの飲み物にはノンカフェインの麦茶が推奨されています。
その他、麦茶には豊富なミネラルが含まれており、他のお茶よりも体に良いとされていることも理由のひとつに挙げられます。麦茶を本格的に与えるのは離乳食が始まる頃がよいとされていますが、早い子だと生後4ヶ月頃から飲むこともあります。
赤ちゃんに麦茶を与えるときの注意点ですが、大人と同じ麦茶を飲ませるのはやめましょう。大人がおいしいと感じる麦茶は、赤ちゃんにとって濃度が高く、苦味も強く感じるためです。
特に初めて麦茶を飲む赤ちゃんは通常の4倍~5倍ほどに薄めてあげるとよいでしょう。麦茶に慣れ始めてきたら、徐々に濃度を高くしてあげるのが最も無難です。
【参考】離乳食期の水分補給について教えて!|ベビー・マタニティ用品のアカチャンホンポ
正しい水分補給で赤ちゃんの健康を守ろう!
赤ちゃんは言葉を発することができないため、水分補給のタイミングなどはママやパパが適切に把握してあげる必要があります。また初めて子育てをする家庭にとっては、母乳やミルク以外の飲み物を与える時期などもわからないということが多いです。
間違った水分補給をさせてしまうと、赤ちゃんの成長や体調に悪影響を与える可能性もあります。赤ちゃんの水分補給に関する知識を少しでも身に付け、赤ちゃんの健康を守ってあげましょう。