2018年5月25日 | お役立ち情報
写真のSNS投稿が危険?プライバシーを守るためのトラブル回避と対策
綺麗な写真をみんなで共有したり、役に立つ情報を広めるなど多くの人がSNSを楽しむ時代になりました。SNSは正しく使うことで全世界の人と楽しくコミュニケーションをとることができる素晴らしいツールです。
しかし、一方でプライバシーが漏洩する危険性も高いのがSNSの弱点でもあります。したがってSNSに写真などを投稿する時は、その内容にも十分に注意する必要があります。今回はSNSの危険性や、プライバシーを守るためにできる対策法などを解説します。
なぜSNSに写真などを投稿すると危険なのか?その理由を解説
「SNSを利用する時は投稿内容に十分に気をつけましょう」という注意喚起が国や企業などによって促されています。ではなぜSNSを利用する時は投稿する内容に注意する必要があるのでしょうか?また具体的にSNSにはどのような危険性があるのかも気になりますよね。そこでまずはSNSが危険といわれる理由を解説します。
異常なまでの拡散力がある
SNSには異常なまでの拡散力および拡散スピードがあります。この優れた拡散力や拡散スピードは上手にSNSを利用していれば、大きなメリットにもなります。具体的には新規のお客様を呼び込みたい飲食店や企業などは、SNSを利用することで不特定多数の人にアプローチをかけることが可能です。
このようなSNSの利用方法は健全な使い方と言えるでしょう。問題は個人がSNSに写真などを投稿する時です。個人の方がSNSに写真をアップする時はそれなりのリスクがあることを承知しておかなければなりません。
なぜなら先ほども取り上げたように異常なまでの拡散力、拡散スピードがあるからです。基本的に一度SNSに投稿した内容は、不特定多数の人が閲覧できる状態です。そしてその投稿を誰かがシェアやリツイートすれば、さらに多くの人に広まる可能性があります。
そうなると投稿した本人も「嬉しい」という気持ちになりますが、実はここに落とし穴があります。一部の悪意あるユーザーにより、投稿した写真などが悪用される可能性があるのです。
具体的には写真にイタズラ目的の加工を施して、再度アップしたりするなどが挙げられます。こうなると写真をアップした本人も「こんなはずじゃなかった」という感情を抱くのは目に見えています。SNSにアップした写真は家族、友人、知人だけが見ているものではありません。悪意あるユーザーも閲覧している可能性があるということを十分に意識しておく必要があります。
写真に写っている風景や景色などから場所を特定できる
自宅のベランダから撮影した素敵な風景写真などがよくインスタグラムなどにアップされていますよね。実はこのような風景写真や周囲に特徴的な景色が写り込んでいる写真から、住んでいる場所、地域が特定されてしまうこともあります。
特にその写真にランドマーク的な建物や川、山などが写り込んでいると、さらに特定は容易となるでしょう。その地域に詳しい人はもちろんのこと、現在は世界中の風景をパノラマ写真で提供するサービス「Googleストリートビュー」もあります。
このサービスを使うことでSNSにアップされた写真との照らし合わせが可能になるため、一歩も外に出ることなく特定ができてしまいます。また意外なところでは電柱やマンホールが写っている写真も危険度が高いです。
電柱や電信柱には「街区表示板」と呼ばれる、所在地を表示するプレートが設置されています。このプレートが写り込んだ写真をアップすることで、自宅住所を特定できることもあります。
またマンホールも自治体によってデザインが異なるため、住んでいる地域までの特定なら可能となります。インターネットを利用したネットストーカーなどは、このような細かい情報から自宅住所を突き止めることもあるので注意が必要となります。
GPS機能による位置情報から場所を特定できる
スマホなどで撮った写真は「ただの写真」と思っている方が多いですが、そうではありません。これらの写真はさまざまな情報が詰め込まれた「デジタルデータ」です。GPS機能付きのスマートフォンやデジカメなどで撮影された写真には「Exif (イグジフ)」と呼ばれる、写真に関するデータを記録する領域があります。このExifに埋め込まれる情報には以下のようなものがあります。
- 撮影日時
- スマホやカメラの機種名
- 作成者名 (設定すると著作権情報として表示)
- 経緯・緯度・方角などの位置情報
この中で最も注意しておかなければならないのが「位置情報」です。GPS機能をオンにして撮影することで、Exif情報の中に撮影場所の座標が記録されることになります。ちなみにこれらの位置情報ですが、現在はアプリやソフトなどを使用することで、地図上に表示させることが可能です。
つまり撮影した場所がピンポイントで特定できるということです。旅行先や観光先で撮影した写真などであれば、撮影場所を知られても困るという方は少ないかもしれません。しかし自宅で撮影した写真を不用意にSNSにアップしてしまうと、自宅住所を知られることにもなります。
また子どもがいる家庭では公園で遊ぶ写真をブログなどにアップすることもありますが、これも「子どもがどこで何時頃、遊んでいるのか」という情報がわかってしまいます。そのため、SNSの写真投稿がきっかけで連れ去りや誘拐事件が起きる可能性も決して0%ではないのです。
位置情報取得機能は正しく活用すれば、旅行や観光先で撮影した写真を整理できるというメリットもあります。しかし、残念ながら世の中にはこの位置情報機能を悪用する人間も少なからず存在します。したがってSNSに写真を投稿する際には、十分に注意する必要があります。
プライバシーを守るためのトラブル回避法や対策法を解説
SNSに写真を投稿する危険性というのが少しは理解できましたね。しかし、危険とわかっていてもSNSで素晴らしい写真や情報を共有したいという方は多くいます。そのような方はしっかりと対策を施して、プライバシーを守ることができるようにしておきましょう。ここではSNSでのトラブル回避法や対策法を解説します。
GPS機能をオフにする
GPSの機能をオフにしておくことは、最も簡単にできるプライバシー対策と言えるでしょう。GPS機能をオフにすることで、位置情報の記録も残らないため、撮影場所を知られる可能性もグンと下げることができます。
ちなみに位置情報サービスはアプリごとに設定することが可能です。つまりカメラアプリのみ位置情報取得機能をオフにすることもできますので、SNSに頻繁に写真を投稿する方には適しています。位置情報取得機能をオフにするには以下の手順で行います。
【iPhoneの場合】
- 「設定」
- 「プライバシー」
- 「位置情報サービス」
- 「カメラ」をオフにする
【Androidの場合】
- カメラアプリを開く
- 左下にある「設定アイコン」
- 「その他の設定」
- 「位置情報保存」をオフにする
カメラアプリの位置情報取得機能をオフにする手順は以上となります。なお、お使いの機種によっては設定方法が異なることもあります。したがって設定方法が困難な場合は取扱い説明書を参考にしたり、携帯ショップへ問い合わせするようにしましょう。
Exifデータを削除する
今日から位置情報サービスをオフにしても、過去に撮影した写真には位置情報が記録されていることもあるでしょう。このような写真の場合はプライバシーを守るためにも、SNSに投稿しないほうが無難です。
しかし、中には観光や旅行の写真をどうしてもアップしたいという方もいます。そのような方はExifデータを削除するアプリなどを使用して、撮影場所の特定が難しくなるような対策を施しておきましょう。
もちろんこれらのデータを削除しても周囲の風景などから、特定が可能という場合もあります。したがって危険度を完全に0%にできるわけではありませんが、少なくともExifデータから自宅住所などを知られることはなくなります。
Exifデータを自動で削除するSNSやブログサービスを利用する
自分の身を守るためとはいえ、写真を投稿する度にプライバシーなどを気にするのは精神的に疲れてしまいますよね。そのような方におすすめしたいのが、投稿した写真のExifデータを自動的に削除するSNSやブログサービスを利用することです。
実は大手と呼ばれるSNSやブログサービスでは、投稿した写真のExifデータは自動で削除される仕様になっています。したがって仮に位置情報が記録された写真をうっかり投稿しても問題になることはありません。Exif情報を自動削除してくれる主なSNS、ブログサービスは以下のとおりです。
- インスタグラム
- LINE
- アメブロ
位置情報などを気にすることなく写真を投稿したいという方は、これらの大手SNSサービスやブログサービスを有効活用しましょう。
旅行やお出かけ写真などは帰宅後にアップする
ゴールデンウィークや夏休みシーズンになると、旅行、観光にお出かけする方たちも増えます。そして旅行先、お出かけ先から「〇〇最高」といったコメントとともに写真をアップすることもあるでしょう。
実はこの行為も非常に危険度が高いです。と、いうのも旅行先、お出かけ先からの投稿というのは、相手に「今、私は自宅にいませんよ」と伝えているようなものだからです。このような投稿内容を悪意のある人間が見ていたら、空き巣被害にあう可能性もあります。これは実際に総務省が公表している資料にも掲載されている内容です。
【参考サイト】総務省「インターネットトラブル事例集 (平成29年度版)」
SNSを使って悪事を働く人間は過去の投稿写真から、自宅を突き止めるような行為も得意です。そのため、旅行やお出かけ先で撮影した写真などは帰宅後に投稿することを推奨します。
公開範囲を制限する
SNSには匿名で利用できるもの(Twitterやインスタグラムなど)から、実名での登録が原則とされているもの(Facebookなど)まで、そのルールもさまざまです。しかし、SNSというのは基本的に全世界の人とコミュニケーションをとれることを前提としています。
したがって、初期設定のままだと不特定多数の人が閲覧できる状態になっていることが多いです。SNS上の余計なトラブルを回避したいという方は、この閲覧できる範囲を制限してみましょう。
特にプロフィール欄などは多くの人が目にする項目です。プロフィール欄に個人情報が特定できる情報などが記載されていると、トラブルが起きる可能性は高くなります。Facebookなどはプロフィール情報の各項目単位で公開範囲を設定することができます。
また、すでに公開されている過去の投稿も共有範囲の変更が可能です。Twitterでも不用意に知らない人間をフォローしないなどの対策を施すことが重要です。ただし公開範囲を友人や知人のみに設定しても、絶対に安心できるとは言えません。投稿した記事を見た友人や知人が「面白い」ということで、スクリーンショットなどで拡散してしまう可能性があるからです。
この時に不特定多数の人間が閲覧できてしまうことになります。したがって絶対に友人や知人以外には見られたくないという方は、事前に拡散しないでほしい旨を伝えておくなどの工夫も施しておきましょう。
SNSに写真などを投稿する時は一度立ち止まるクセをつけておこう
今回はSNSが危険といわれる理由、プライバシーを守るための対策法などを解説しました。SNSは基本的に素晴らしい情報、役に立つ情報などをみんなで共有するコミュニケーションツールです。
しかし、中にはSNSを利用してつきまといの行為や道徳的に問題のある行為などを行う残念な人間もいます。このような人間がいる以上、安心、安全なSNS対策というのは必須となります。
「僕は大丈夫」「私は大丈夫」と思い込んでいる人こそ、今一度SNSの健全な使い方を学んでおきましょう。また一度でもネット上で拡散された情報は、基本的に消去することは不可能です。
したがってSNSに写真などをアップする際は、一度立ち止まるクセをつけておき、内容のチェックなどを十分に行ってから投稿するようにしましょう。全員が正しくSNSを使うことで、余計な犯罪が起きるのを防ぐこともできます。ぜひ参考にしてください。