「ハチ」対策 豆知識

① スズメバチの対策や駆除

スズメバチは、刺されるとショック症状を起こすこともある危険な昆虫です。今回は、スズメバチが家の近くに巣を作ってしまった場合の対策と駆除方法をご説明いたします。また、特定外来生物であるツマアカスズメバチについても解説いたします。

スズメバチが巣を作りやすい場所

スズメバチは世界に61種、日本では16種が確認されています。人を刺すのは、主にオオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、ヒメスズメバチで、性質もそれぞれ異なります。

スズメバチには、家の軒下や木の枝など開放的な空間に巣を作る種と、屋根裏や地中など閉鎖空間を好む種、その両方に営巣する種があります。人家の周りでは、雨のかからない屋根裏や軒下、庭木や植え込みに巣を作ることがあります。

スズメバチの種類や生態は、「スズメバチが発生する原因とは?スズメバチの習性を知って対策しよう」の記事で詳しくご紹介しています。また、ハチ類の巣の形と、好んで巣を作る場所については、「ハチ・ハチの巣を駆除したい」でご説明しています。

スズメバチの駆除・対策

スズメバチは、ハチの中でもとくに強い攻撃性を有します。重篤なアレルギー症状(アナフィラキシーショック)による死亡例が毎年あるため、巣には近寄らない、ハチを刺激しないことが重要です。

攻撃されないための注意

スズメバチは、黒や色の濃いものをとくに標的にします。ハチの行動範囲内では帽子で髪を覆う、白っぽい服を着るなど、注意を引かない工夫をしましょう。巣に振動を与えたり、近くで大きな声・音を出したりすると、攻撃と勘違いしたハチに襲われることがあります。

種類ごとの巣の特徴

巣のある場所や巣の形は、ハチの種類を見分ける手がかりになります。

  • ・球形でまだら模様のついた巣:キイロスズメバチ
  • ・とっくりを逆さまにしたような小さな巣:コガタスズメバチ(初期の巣。夏以降はただの球形になります)
  • ・地中の穴を利用した巣:オオスズメバチ、クロスズメバチ

周辺でハチをたくさん見かける場合は、ハチの飛ぶ方向に注目して、安全に十分留意のうえ観察してください。

住んでいる自治体に相談

区・市町村によっては、無料で駆除用具(殺虫剤)を貸し出すところもあります。また、専門業者を紹介する、業者に依頼した場合は駆除費用を補助するなど、各種支援制度が設けられていることもあります。

専門業者に駆除を依頼

自治体を介さず、害虫駆除業者に直接依頼する方法もあります。ハチの種類がわかると対策も立てやすいので、依頼する前に巣の場所や形を伝えておくとよいでしょう。危険のない範囲で写真も撮影すると、ハチの種類を見分ける手がかりになります。作業前に、駆除費用の見積もりを聞いておきましょう。

生息域を広げているツマアカスズメバチ

近年、都市でも生息圏を広げているのが外国産のスズメバチ、ツマアカスズメバチです。

「特定外来生物」指定

もともとは中国や南・東南アジアに分布する種です。2012年、国内で初めて長崎県対馬に、その後九州各地に定着していることが確認されています。繁殖力が強いため、2015年には生態系への害が大きい「特定外来生物」に指定され、駆除対象となっています。

ツマアカスズメバチの生態

小型のハチで、全体的に黒っぽい体色、オレンジ色の腹と黄色い脚が特徴です。初めは灌木や茂みの中に巣を作りますが、集団が大きくなると高い木の上に移動し、大型の巣を作ります。

肉食性で、他のハチやハエ、クモ、トンボなどをエサにします。人を刺すほか、ミツバチを襲ってエサにするため、ミツバチを受粉に利用する農業や養蜂業への打撃が危惧されています。

対馬ではニホンミツバチの飼育が盛んですので、被害のほとんどはニホンミツバチです。

駆除は自治体か専門業者に依頼

他のスズメバチと同様、刺された場合アナフィラキシーショックを起こす危険性があります。巣の撤去は居住の自治体、または専門業者に依頼してください。エサで誘引する罠を仕掛ける、巣を取り除いて焼却するなどの方法で駆除されています。また、定着の状態を把握するため、見かけた場合は居住する自治体に連絡するよう求められています。

スズメバチ対策

庭や家の周りにスズメバチが営巣した場合は、危険なので専門業者などに駆除を依頼してください。ハチの駆除を考える場合、次のような薬剤が役に立ちます。

成虫も幼虫もまとめて退治

巣に近づかずに退治するなら、フマキラー「スズメバチ巣ごとキラー」がおすすめです。人工樹液をもとにした特殊なエサで、スズメバチを強力に誘い込みます。誘引されたスズメバチは、体に薬剤をつけて巣に戻り、仲間にもエサを分け与えます。特殊エサに含まれる薬剤で成虫が死に至り、世話をされた幼虫も付着した薬剤で死滅。こうして連鎖的にスズメバチの巣が全滅、その効果は約1ヵ月持続します。

巣から10メートル以上離れた場所に置くのが望ましく、スズメバチがエサになる虫を捕まえる庭木や草花の近くに設置すると、仲間のハチも集まってきます。巣に対する効果は、ハチが誘引されるようになってから2~3日後が目安です。危険のないよう、住居から2、3メートル以上離れた、人通りのない場所を選んで設置してください。

動きを止めて素早く退治

スズメバチの巣の撤去は基本的に居住の自治体、または専門業者に依頼するのが良いでしょう。どうしてもご自身でスズメバチを駆除する必要があるときは、刺されないように対策した上で、殺虫剤を活用しましょう。フマキラー「ハチ・アブダブルジェット」は、最大11メートルまで届くダブルジェット噴射で、ハチの動きを止めて駆除。離れた場所からハチに向かってスプレーすると、速効性のある殺虫成分で素早く駆除できます。ただし、スプレーしてからスズメバチが動きを止めるまでの間に刺されないよう注意してください。

巣に戻ってきたハチや、新しく羽化したハチなど、巣ごと退治することが可能。スプレーしておくと、約4ヵ月間ハチを近づけない効果があります。アシナガバチ、ミツバチ、ツマアカスズメバチ、アブにも効果を発揮します。

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