2019年4月5日 | お役立ち情報
押入れ収納のコツ・アイデアを紹介。奥行きを生かしてしっかり収納!
日本家屋の「押入れ」は、日本人にとって馴染み深い収納場所ですが、奥行きが深くて使いづらい面もあります。前方から隙間に詰め込んで、奥には何が入っているのか見失っていませんか?そうなるといざ何か必要になったときには、探す手間もかかり、下から引っ張り出すと雪なだれ状態になってしまうこともあります。
押入れは、収納のコツさえつかめば、便利で素敵な空間に早変わりします。そこでこの記事では、上手く押入れを活用できるように、押入れ収納のコツとアイデアをご紹介いたします。
まずは「押入れ」の特徴を知ろう
元々は、寝具の収納場所として作られた「押入れ」。そのため、布団は収納しやすいのですが、逆に布団以外のものの収納には不便な形状になっています。棚や仕切りがないため小さいものは見失いやすく、奥にあるものは手が届きにくくて取り出しづらい。さらに、空気が流れず湿気がこもりやすいため、カビ対策が必須のスペースです。
ベッドが普及した現代では、布団をしまうための広いスペースも必要なくなり、使いづらい押入れを持て余しているご家庭も増えています。
収納スペースを分割して考える
収納するものには、それぞれ収納するベストな場所があります。「手が楽に届く範囲」と「見える範囲」が一致している場所が一番出し入れしやすいスペースです。当たり前ですが、頻繁に出し入れするものを出し入れしやすい場所に収納することが大事なポイントです。
押入れは、自由に収納できる広いスペースですが、実はその空間は「出し入れのしやすさ」という壁で仕切られているのです。まずは、動かない中板で上段と下段に。さらに扉であるふすまで、右側と左側に。そして、手が届きやすい前側と届きにくい奥に。その8つの空間に収納したいものをグループ分けしてベストな位置に収納していきます。
上段
上段は、出し入れのしやすい高さになっています。さらに湿気もそれほど心配のないスペースです。来客用の布団やオフシーズンの布団はこちらに。そして、衣類や日常よく使うものにも最適な場所です。普段着用する衣類や小物は、押入れ用ハンガーラックなどを利用するとスッキリ整理されて便利です。
下段
下段の奥は、しゃがんで前のものをどかさないと出し入れできないため活用しにくい場所です。オフシーズンの家電や旅行かばん、五月人形、雛人形、クリスマスツリーなど使用頻度が少ないものを収めましょう。
下段の手前は、上段の次に出し入れしやすい場所です。上段に収めきれなかったものや衣類、重いもの、日常に使用する掃除機やアイロンなどの収納におすすめです。
天袋
天袋がある場合は、脚立を使っての出し入れになるため、落下すると危険な物は避けて、めったに使わなくて軽いものをしまいましょう。手前に取っ手のある軽量の収納ケースの利用をおすすめします。
手前と奥
日常の生活に必要なものは、手の届く手前に収納します。2アクションで手にできる場所が理想でしょう。下段の手前に収納するときは、キャスターのついた収納グッズを使ったり、台車に乗せておくと後ろのものが取り出しやすく負担にならないでしょう。
左半分と右半分
扉が行き違いのふすまの場合、左右片方ずつしか開かないので、真ん中に配置するとふすまが邪魔をして取り出しにくくなります。ですので、部屋の中の押入れの位置により、ふすまの開閉を意識しつつ左右を分割して考えます。そして、使用頻度の高いものは、ふすまを少し開けるだけで出し入れできるように端のほうに収納すると便利でしょう。
押入れ用収納グッズでスッキリ収納
今では、さまざまな押入れ用の収納グッズも販売されて、「押入れ=布団収納」ではなく万能な収納スペースとして活用されています。そこでアイテム別におすすめの収納グッズを紹介していきます。押入れはそれぞれのご家庭で大きさが違いますので、あらかじめ押入れの高さ、幅、奥行きを計測してから購入しましょう。
衣類の収納
引き出し収納ケース
目線から上には引き出し収納ケースは使えません。下段に置いて収納しましょう。いろいろなサイズの収納ケースが販売されています。ご家庭の押入れにぴったりの奥行きの長い収納ケースを選ぶと、デッドスペースを作ることなく有効活用できます。
手前半分に普段着用する衣類、後ろ半分にオフシーズンの衣類を収納しておくと、長い引き出しを全部引き出す必要なく便利です。衣替えのときは、前後の衣類を入れ替えるだけでOK。100円ショップで手に入るブックスタンドで仕切ると使いやすくなるでしょう。
ハンガーラック
たたまないでハンガーにかけたまま収納する場合は、ハンガーラックがおすすめです。上段に設置して利用しましょう。押入れは奥が深いので、前後2段のハンガーラックも使えます。奥側には、めったに着用しない冠婚葬祭用の服やオフシーズンの衣類などをつるしておきましょう。
100円ショップなどのカゴ
小さなものは、100円ショップなどのカゴにカテゴリー別にまとめて収納しましょう。ハンガーラックの下などのデッドスペースにおすすめです。スッキリ片付いて、さっと取り出せて便利です。
布団の収納
伸縮押入れ整理棚
押入れに布団を積み上げると、上部にデッドスペースができやすく、下の布団を引き出すのも苦労します。そこで、幅を自由に変えられる伸縮押入れ整理棚がおすすめです。
上下を仕切ってくれるので、上には肌掛けや毛布など下には敷布団と分けて収納したり、上に布団、下に衣装ケースや小物類などと使い方は自由。デッドスペースを有効に利用できて、使い勝手が格段によくなりますよ。
布団用圧縮袋
布団は、上手くたたんでもかさばるため、圧縮してコンパクトにすると収納スペースを節約できます。立てても収納できるため、狭いスペースでも保管できます。
羽毛布団は圧縮には適しません。羽毛布団をコンパクトに収納する羽毛布団用の布団袋を利用しましょう。軽いので高い位置の「持て余しスペース」に収納すれば、メインスペースにゆとりができるでしょう。
おもちゃ・雑貨の収納
押入れワゴン
おもちゃの収納には、押入れワゴンがおすすめです。お子様が使いやすい下段に置きましょう。キャスター付きですので、自分で引っ張り出して、遊び終わったらおもちゃをワゴンに放り込んで、そのまま押入れに入れて終わり。自分でお片付けまでできますね。
スタックボックス
キャスター付きのスタックボックスは、2個を前後に置くと押入れの奥行きにちょうどよい大きさです。お子様用にはプラスチック製の軽いものがおすすめです。こちらも自分でおもちゃを出して遊べてお片付けできるように、下段に置きましょう。奥側にはあまり使わないおもちゃや衣類などを収納しておきます。
家電の収納
キャスター付き収納ワゴン
キャスター付きで移動や出し入れが楽にできるので、ミシンやアイロン、掃除機など日常生活に必要な家電や道具の収納におすすめです。下段の取り出しやすい端に置きましょう。
組み立てラック
ストーブ、扇風機などの季節家電は、収納すると上部にデッドスペースができてしまいます。そこで組み立てラックや整理棚を利用すると下に大きな家電、上にはホットカーペットや加湿器などの小さい家電も収納できます。
子供部屋の押入れの利用方法
子供部屋にある押入れが、ただの物置になっていませんか?最近は、押入れをベッドにしたり、勉強机にしたり、秘密基地にしたり。DIYでリメイクされているご家庭も増えています。
上段は、収納スペースとして使って、下段は子供のクローゼットやおもちゃ置き場として利用するのもいいでしょう。下段は子供の手が届く位置ですので、自分で身支度もできますし、お片付けもできます。収納ボックスにはインデックスシールなどで印をつけてあげると、自分でしっかり分別できますね。
扉を外し、壁紙を張って、ラグやカーペットを敷くと、秘密基地になります。子供は、秘密基地のようなワクワクするスペースが大好きです。散らかしたおもちゃも秘密基地にちゃんとお片付けされるでしょう。
押入れの「ふすま」を外してブラインドかカーテンに
押入れのふすまを外してみませんか?お部屋を洋風にアレンジしても和室感漂うふすまは、雰囲気を壊しますよね。ふすまの代わりにお好きなカーテンやブラインドを設置するだけで、洋風のインテリアに馴染む素敵なお部屋に変わりますよ。
さらに他にもメリットがあります。閉め切りにならないので、通気性もよく湿気対策になります。そして、ふすまがじゃまをして使いにくかった真ん中のスペースを気にすることなく収納できます。また、大きく開くことができるので、服などを一望できて選びやすくなるでしょう。
おしゃれな見せる収納にしたいときは、中の収納グッズの色を統一させるのが効果的です。白色に統一すれば、圧迫感を感じないスッキリとした空間になるでしょう。
押入れのカビ対策
押入れは、カビが繁殖する条件が揃っている場所です。カビは、ジメッとしていて温かくてホコリがあるところを好みます。うっかりすると取り返しのつかないことになりかねません。
カビ対策として大切なことは、湿気がこもらないように普段から空気が流れやすい状態にしておくことです。
- スノコや除湿剤を利用する。
- ぎゅうぎゅうに詰めず、余裕のある収納を。
- 定期的に扉を開けて、換気をする。
- 衣装ケースなどは壁から離して置く。
スノコは、縦置きでなく横置きにして、奥まで空気が流れるように設置します。そして、収納する荷物は、ぎゅうぎゅう詰めにすると湿気が抜けないので、余裕のある収納を心がけましょう。換気は扉を開けて、扇風機などで風を送ると効果的です。扉は片方だけより両側を開けて、空気の流れをよくすることがポイントです。
押入れがただの不用品の物置にならないように
いかがですか?押入れも目的をもって活用すると、とても頼れる収納場所ですね。
押入れ収納のポイントは、収納したいものをリストアップしてグループ分けをする、押入れの空間をイメージしてポジションを決めてから収納していくことです。
押入れは広い分、コツさえつかめれば、自分流にアレンジしやすい場所です。自分や家族の生活動線により使い方を工夫して、快適な収納スペースを実現しましょう。