2023年5月15日 | お役立ち情報
高知ってどんなところ?高知県の文化・食べ物・お祭り・県名の由来などを紹介!
47都道府県を順にご紹介するシリーズ、今回は「高知県」です。
坂本龍馬、板垣退助、岩崎弥太郎、ジョン万次郎など偉人を多く輩出している高知県。2023年NHKの連続テレビ小説「らんまん」のモデル、植物学者の牧野富太郎も高知県出身です。県内には日本最後の清流「四万十川」と奇跡の清流「仁淀川」を有する自然豊かな県でもあります。
今回は高知県の魅力をたっぷりお伝えしますのでお楽しみください。
高知県とは
はじめに、高知県の基本情報をご紹介します。
県の位置
高知県は四国の南部にあり、東経約132°〜134°、北緯約32°〜33°に位置します。北は四国山地、南は太平洋に面し、東西に細長い扇状の形です。高知市内を流れる江の口川には東経133度33分33秒,北緯33度33分33秒という同じ数字が12個も並ぶ地点があり、「地球33番地」と名付けられ、白いモニュメントが建てられています。
県名の由来
土佐藩主となった山内一豊が河川に挟まれた大高坂山に城を築き、河中山城(こうちやまじょう)と名付けたのが高知の始まりといわれています。たびたび洪水が起こるため、「高智」と改められた後に廃藩置県で高知県となりました。
高知県の文化
高知県に伝わる文化のうち、主なものをご紹介します。
おきゃく文化
「おきゃく」とは高知で宴会を意味します。
高知では何かと理由をつけて親類や友人、近所の人たちなどを招いて宴会していたため、宴会が「おきゃく」と呼ばれるようになりました。おきゃく文化に欠かせないのが郷土料理の皿鉢料理です。知っている人も知らない人もお酒を酌み交わし、「献杯」「返杯」を重ねていきます。
べく杯
高知には、お酒を飲み干すまで下に置けない「ベク杯」を使ったお座敷遊びがあります。
べく杯セットはおかめ・ひょっとこ・天狗の3種類があり、日本酒を入れて一気に飲み干します。こまを回して、止まったときに軸が向いた方角に座っている人が、出た絵柄の杯に酒を注いで飲み干します。
おかめは「女性の顔を下にして置くのは失礼」ということで飲み干すまで置けません。ひょっとこは口の部分に穴が空いているので、指でふさいでおかないとこぼれてしまいます。天狗は長い鼻の部分までお酒が入るため、下に置けません。
お酒がなくなるか、継続できなくなるまで続きます。
まんが王国
高知県は「フクちゃん」の横山隆一氏や「アンパンマン」のやなせたかし氏をはじめとして、多くの漫画家を輩出しています。高知ではまんがを文化と捉え、イベントなどを通してさらなる発展を目指しています。
1992年からは全国高等学校まんが選手権大会「まんが甲子園」を開催。2012年には「まんが王国・土佐推進協議会」が設立され、官民が協力して漫画文化を推進しています。2015年からは全国の有名漫画家を高知に迎え、多彩なイベントを開催する「全国漫画家大会議」を開催しています。
さらに令和2年4月にはまんが王国・土佐の資料や情報を発信する「高知まんがBASE」が誕生。所蔵されたまんが雑誌・単行本を読んだり、スマートフォンのARアプリでキャラクターと記念撮影したりして、まんが文化を楽しめます。
高知県の食文化・有名な食べ物
続いて、高知県の主な食文化をご紹介します。
カツオのたたき
かつおは県の魚でもあり、高知では日常的に食べられています。カツオ料理の中でも高知を代表するのがカツオのたたきです。もともとは漁師が船上で食べていたまかない料理だったのが、一般に伝わったといわれています。
カツオの旬は春と秋の2回あります。3〜5月頃が旬の初カツオは脂が少なくさっぱりした味わいです。一方、9〜11月が旬の戻りカツオ(下りカツオ)は脂がのってやわらかい味わいです。
高知県内の飲食店では「カツオの藁焼き」がよく見られます。藁を使用して高火力で表面を一気に焼き上げるため、カツオの臭みが消えてうまみが引き立ちます。
皿鉢料理(さわちりょうり)
先述の「おきゃく文化」でも触れた「皿鉢料理」は高知県の代表的な食文化で、料理名ではなく料理の様式です。大皿に刺身やカツオのたたき、姿ずしや田舎ずし、組物と呼ばれる揚げ物、煮物、酢の物などを盛りつけます。家庭でもてなす際、女性が何度も席を立たずにすむよう大皿の料理で提供するようになったといわれています。
文旦
大きくて黄色い果皮が特徴的な文旦は、高知を代表する果実です。爽やかな香りで一粒食べるとプリッとした実がはじけ、ほどよい酸味と甘みが口いっぱいに広がります。高知にはハウス栽培と露地栽培の「土佐文旦」と、ハウス栽培で上品な甘さの「水晶文旦」があります。ハウス栽培の旬は10〜12月、露地栽培の旬は1〜4月です。
いもの茎の炒め煮
高知では、さつまいもやかぼちゃの茎を食べる食文化があります。夏季は畑にさつまいもやかぼちゃの茎が茂るため、農家が食用に用いたことから広がっていき、一般の家庭でも日常的に食べられています。野菜によって味わいは異なりますが、シャキシャキとした食感で、炒め煮や煮浸しなどにして食べられます。
芋けんぴ
芋けんぴはさつまいもを棒状に切って油で揚げ、砂糖を絡めた高知の郷土菓子です。
高知では昔から小麦粉を棒状に焼いた「けんぴ」という干菓子が食べられていて、けんぴに似ていたことから「芋けんぴ」と呼ばれるようになりました。そのため「芋けんぴ」は土佐弁のようなもので、以前は他県の人に通じなかったようです。最近は知名度が広まり、芋けんぴでも全国に通じるようになりました。
高知県の伝統的な行事・まつり
高知県に伝わる主な伝統行事や祭りは、次のとおりです。
よさこい祭り
よさこい祭りは高知市内で毎年8月9日〜12日の4日間にわたり繰り広げられる祭りです。8月9日は前夜祭、10日・11日は本番、12日は後夜祭・全国大会が開催されます。昭和29年に不況を吹き飛ばして市民を元気づけようと始められました。
市内10数カ所の演舞場、競演場で、約190団体、およそ2万人の踊り子が衣装や踊りに工夫をこらし、手に持った鳴子を鳴らしながら華やかな飾り付けをした地方車とともにエネルギッシュな踊りを披露します。
新しいものを取り入れていくよさこいは若者に受け入れられ、高知だけでなく国内外に広がっています。
土佐赤岡どろめ祭り
香南市のどろめ祭りは、毎年4月の最終日曜日に前浜の海岸で開催される祭りです。
メインイベントは大杯飲み干し大会です。地引網でとれたてのドロメ(マイワシやウルメなどの稚魚)を肴に男性は一升(1.8L)、女性は5合(0.9L)を一気に飲み干し、飲み干す時間と飲みっぷりの総合特典を競います。
酒豪が集まる祭りとして、土佐人のイメージを全国に広めた豪快な祭りです。
秋葉(あきば)まつり
仁淀川町の秋葉祭りは秋葉神社の祭礼で、毎年2月9日〜11日に行われます。土佐三大祭りのひとつで県保護無形民俗文化財です。初日の2月9日に御神体を岩屋神社へ、2日目の2月10日に市川家へと神幸され、最終日の2月11日に秋葉神社へ戻られます。
最終日は本村、霧之窪、沢渡の3集落から集まった役者ら200人が岩屋神社から秋葉神社まで3キロの細い山道をゆっくりと練り歩きます。祭りのクライマックスは、長さ7メートルのヒノキの棒の先端に鳥の羽をつけた重さ8キロにもなる鳥毛を約10メートル離れた2人が投げ合う鳥毛ひねりです。見事キャッチすると見物客から歓声が上がります。
土佐神社 しなね祭り
高知市一宮しなねにある土佐神社で、8月24日・25日に行われるしなね祭は、神恩を感謝し、御国の隆昌と世の中の平和を祈願する祭りです。土佐三大祭りのひとつに数えられています。24日の夜は神楽や太鼓の奉納があるほか、夜店が立ち並んで夜遅くまで賑わいます。
久札八幡宮大祭
中土佐町の久札八幡宮大祭も土佐三代祭りのひとつに数えられます。戦国時代から続く秋の豊作に感謝する祭りで、旧暦の8月14日、15日に行われます。深夜に重さ1トンの大松明の行列が、神社まで練り歩く「御神穀祭(おみこくさん)」が見どころです。
仁淀川紙のこいのぼり
特産の不織布を彩色した約300匹の紙こいのぼりが、清流・仁淀川の川面を泳ぐ初夏の風物詩です。平成7年(1995年)から始まり、平成12年(2000年)には第4回ふるさとイベント大賞自治大臣表彰」を受賞しています。
高知県の建築物・遺産
高知県の主な建築物や遺産は次のとおりです。
高知城
高知城は1601年に山内一豊が築城にかかり、10年の月日をかけて完成させました。城下町の大火事で一度消失しましたが、1749年に再建されています。現存する12天守のひとつで、全国で唯一、本丸の建造物群が現存する南海の名城です。天守など15の建造物が国の重要文化財に指定されています。
住所:高知市丸ノ内一丁目2番1号
公式サイト:https://kochipark.jp/kochijyo/
岩崎弥太郎生家
安芸市には大財閥三菱を築き上げた岩崎弥太郎の生家があります。200年の風雪に耐えて残る茅葺きの住宅です。庭には少年時代の弥太郎が天下飛雄の夢を託して作ったとされる日本列島を模した石の配置が残されています。建物内部は一部を除き、8:00〜17:00まで一般開放されています。
弥太郎が立身出世を祈願したとされる星神社へは、生家近くの妙見山登山道から片道1時間程度で歩いて登れます。
住所:高知県安芸市井ノ口甲一の宮
公式サイト:https://www.city.aki.kochi.jp/life/dtl.php?hdnKey=45(安芸市役所)
はりまや橋
高知城の近くにあるはりまや橋は、高知を代表する観光スポットです。江戸時代に播磨屋と櫃屋が、堀で隔てられたお互いの商店を行き来するために架けられたといわれています。橋は何度か架けかえられ、堀川も埋め立てられました。現在は、はりまや橋公園として整備され、川のせせらぎの音で当時のはりまや橋を表現しています。
まとめ
よさこい祭りやおきゃく文化、独特の酒文化など、エネルギッシュで豪快な印象が強い高知県。四万十川や仁淀川など美しい自然に恵まれているため、レジャーやアクティビティも楽しめます。まだ高知県を訪れたことがない方は、ぜひ脚を伸ばしてみてはいかがでしょうか。