正月に飲みたい祝い酒、お屠蘇は古き良き健康カクテルです

正月のお祝いはやっぱりお屠蘇(おとそ)から

朝から堂々とお酒をいただけるのは正月ぐらいでしょうか?新年の最初に飲むお酒は何と言っても「お屠蘇」でしょう。大人だけでなく、お子様にもアルコール分ゼロの「お屠蘇」も作ることが出来るので、家族全員でいただけるというのもいいですよね。

平安時代に唐から伝来・・・

元来、「屠蘇」は「邪気を屠(ほふ)り、心身を蘇(よみが)えらせる」所から名付けられました。だから新しい年を迎えるのにふさわしい飲み物として古くから飲まれてきたのですね。はるか昔、平安時代に唐から伝わり、宮中で飲まれ始め、一般には江戸時代から「習慣」になったとされています。

その中身は、健康に良いとされる「山椒」「肉桂」「桔梗」「防風」など何種類もの「生薬」類だと言われています。正確には「屠蘇散」という名で売られていますよ。
そう、あの独特の「香り」や「味」はいかにも健康に良さそうですものね。年末になるとドラッグストアやスーパー、デパートなどに並んでいます。あのティーバッグのように使いやすくされた屠蘇散という名の「屠蘇袋」に、「日本酒」あるいは「みりん」を注いで一晩寝かせるだけで完成です。
紅白歌合戦も終わり、除夜の鐘を聞きながら作るのもいいかもしれませんね・・・行く年来る年の様々な思いを込めて・・・

昔は多くの家庭で、大人用に「日本酒」を入れたものと、子供達用にノンアルコールの「みりん」の2種類の「お屠蘇」を大晦日に作っていました。

日本最古のカクテル?!

そして、「日本酒」にも「みりん」にも、「アミノ酸」がたっぷり含まれています。その旨味と生薬が「結ばれ」ミックスされた独特の風味はご存知の通りです。まさに邪気を払い、長寿を願う縁起のいいカクテルと言えるのではないでしょうか。
いわば「日本で最も古いカクテル」の一つ、ですよね。自家製の「リキュール」と言い換えてもいいかもしれません。

「みりん」あるいは「日本酒」の甘みと様々な成分が合わさった複雑な味、ニッキのような、それでいてスパイシーな香り、「カクテル」としてもなかなかいい線いっていますよ。

家族みんなで楽しもう

そして、この正月の「カクテル」の杯を、おじいちゃんもお父さんも、お母さんも子供達も、まさに一家全員で楽しまれたらいかがでしょうか。(もちろん未成年にはアルコール分の無い「みりん」にしてくださいね)

「お屠蘇」の杯を家族で交わしながら、新しい年のそれぞれの目標や、やりたいことなどを語り合うのもお正月ならではですね。ちょっとお屠蘇気分で大きな夢を語り合うのも素敵だと思います。普段日常ではなかなかできないコミュニケーションが「お屠蘇」を通じて盛り上がるのでは・・・
まさに「お屠蘇」は古来から「家族を結ぶ酒」だったのだと思います。

若い世代は「スパークリングワイン」で乾杯派も

若い世代の皆さんは「お節料理」もあまり作らないことも多いようですね。スーパーやコンビニやデパートでさえも元旦、あるいは2日から空いているところも多くなってきたご時世です。おせち料理のようにある意味「保存食」を作る必要性も薄れて来たですものね。ちょっと寂しい気もしますが・・・

それでもやっぱり、正月はハレの日。何かでお祝いしたいですね。最近ではシャンパンなどスパークリングワインで乾杯する派も増えていると思いませんか。確かに結婚式をはじめ、お祝いの席での乾杯は「シャンパン」で行うことが多いですよね。

ちなみにスパークリングワインとは発泡性のワインのことで、白ワインかロゼワインが多いですね。中でもフランスのシャンパーニュ地方で生産されたスパークリングワインだけを「シャンパン」と呼ぶことができます。ちょっと高いけど世界で最も評価の高いスパークリングワインを生み出すことで有名な産地ですよね。縦に細長いフルートグラスを、小さく美しい泡が立ち上っていく様は、確かに幸せな気分にさせられます。

スパークリングワインも、お正月にふさわしい酒と言えるのではないでしょうか。そういえば、ここ数年「発泡性の日本酒」もささやかなブームになっています。「和洋折衷」ではないですが、これまた正月に相応しい酒かもしれません。

日本酒はもちろん正月酒の本命、おめでたい酒もたくさんあります

さて、「お屠蘇」は何杯も飲める飲み物ではありません。「お屠蘇」の後、やはり「おせち料理」に合うのは「日本酒」でしょう。
大手酒造メーカーの調査でも—-
「おせち料理にはどのようなお酒が合うと思うか」との問いに対しては、全体の70%が「日本酒が合う」と答えています。「ビールや発泡酒」は36%で、20代から60代まですべての年代で同じ傾向を見せました。(宝酒造「お正月の酒に関する意識調査 2012」)
とあるように、「正月には日本酒がよく似合う」と思います。

思いついただけでも、ネーミングからしてめでたい「開運」「松竹梅」「招福」「高砂」などなど、数多くあります。もちろんネーミングだけではなく、まさに古来から「米」を育て、主食とし、大切にしてきた祖先たちが、この「米」を醸し、うまし酒に仕上げて出来たのが日本酒です。「祭り」や「神事」始め、ありとあらゆる場面、節目節目で、神と人をつなぐ「媒体」として大きな意味を持ち、また親しまれてきました。だから正月の酒といえば日本酒がまずピンと来るのでしょうね。

そして日本酒には、冷酒、常温、ぬる燗、熱燗と言うように同じ「酒」でも温度の違いで味わいがくっきりと違ってきます。お重箱の中の品々に合わせて、冷酒からだんだんと熱燗にしていくのも楽しいですよ。「いくら」や「数の子」など、いわゆる魚卵系は熱燗がぴったりです。(他の品々はワインとも相性抜群なのですが魚卵系だけは、ワインがその生臭さを際立たせてしまう傾向にあり、あまりお勧めできません。)つまり、おせちには日本酒が万能です!

もちろんウイスキーやビールも楽しい

仲間と一緒の「ホームパーティー」などではやっぱりビールやウイスキーも欠かせませんね。大手メーカーでは三十年以上も前から毎年、干支にちなんだデザインの缶ビールや、ボトルデザイン、ラベルデザインの製品を出し続けています。舌や鼻はもちろん、眼でも正月が楽しめますよ。

いずれにせよ、ハレの日には「お酒」が欠かせませんね。もちろん飲み過ぎは注意ですが、楽しいお酒で、良い一年をスタートしましょう。

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