③ ハチ・ハチの巣を駆除したい
「家の近くでハチを頻繁に見かける」「軒下やベランダでハチの巣を発見した」などの困りごとを抱えることはありませんか。ハチやハチの巣を駆除したいときには、どのようにすればよいのでしょうか。
今回は、ハチとハチの巣の駆除方法について解説いたします。なお、スズメバチの巣の駆除(自治体や専門業者に依頼して駆除)については、「スズメバチの対策や駆除」で詳しくご説明いたします。
ハチの種類別 巣の形と好んで巣を作る場所
ハチは、いろいろな場所に巣を作ります。家の近くでハチをよく見かける場合、軒下や換気口、庭木や生け垣などに巣がないか点検してみてください。巣の形によって、ハチの種類を見分けることができます。
アシナガバチ
- 巣の形:多数の六角柱で構成されている
- 巣を作る場所:軒下、植栽、エアコンの室外機の中など
ミツバチ
- 巣の形:六角形の巣穴が平行に並んでいる
- 巣を作る場所:屋根裏、壁の間、庭木のうろ(空洞)など
スズメバチ
- 巣の形:初期は電灯の傘状。次第に大きくなり、大理石のような模様が見られる。巣穴は六角形
- 巣を作る場所:屋根裏、軒下、木の根元など
ハチは巣を守ろうとするので、巣に近づいた人や動物に集団で襲いかかることがあります。むやみに巣に近づかない、振動や音でハチを刺激しないなど、注意が必要です。
ハチの巣を駆除するには
ハチの巣の駆除には、自治体や専門業者への依頼のほか、自分で行う方法もあります。
自治体に相談する
市町村によっては、ハチの巣の駆除を支援する制度を設けていることがあります。お住まいの自治体窓口に相談してみましょう。
<ハチの巣駆除の支援例>
- ・自治体による駆除
- ・駆除に必要な用具(殺虫剤など)の貸し出し
- ・自治体が委託する駆除業者を紹介
- ・駆除業者に依頼する場合、駆除費用の補助
駆除を相談・依頼する前にしておくこと
アシナガバチやミツバチは、自治体による駆除または駆除を支援する対象にならないことがあります。安全に十分配慮しつつ、事前に巣の場所を確かめ、ハチの種別を特定しておくことが望ましいでしょう。
また、「駆除は土地や建物の所有者(管理者)による依頼であること」「駆除作業には立ち会いが必要」といった条件がないかどうか、自治体のウェブサイトなどで調べておくと安心です。
専門業者に駆除を依頼する
害虫駆除業者に、ハチの巣の駆除を依頼する方法もあります。自治体の場合と同様、巣の場所とハチの種類がわかればスムーズに作業に着手できます。作業に取り掛かる前に、費用の見積もりを取るとよいでしょう。
自分で駆除する
ハチ駆除専用のスプレー式殺虫剤を用意しましょう。離れた場所から薬剤を噴霧することができます。ハチに刺されるのを防ぐため、駆除の際には帽子をかぶり、肌の露出が少ない服装で行うとより安全です。
ハチが巣で休む日没後に、巣に殺虫剤を直接噴霧して駆除します。懐中電灯で巣を照らすとハチを刺激するので、明るいうちに巣の場所を確認しておきます。噴霧を数日繰り返して、ハチの出入りがなくなったら巣を取り除いてください。
巣に気づくのは、ハチが活発に動いている夏が多いものです。しかし巣の駆除には、働きバチが羽化する前の春先がより安全です。ハチの数が増えれば、攻撃性も増すからです。ハチを見かけたら、動きに注意を払っておきましょう。
ミツバチの巣の危険
はちみつを生み出すミツバチには、益虫のイメージがあります。また先述のとおり、スズメバチ以外のハチの巣は「危険性が低い」として、駆除または駆除の支援対象にしない自治体もあります。
ミツバチは攻撃性が低く、よほどのことがない限りは刺されることはありません。しかし、ミツバチの巣を狙うオオスズメバチが集団で攻撃を加えたり、ミツバチの巣をすみかとするハチノスツヅリガの幼虫が天井板や柱などをかじって穴を開けたりなど、巣があることで呼び込んでしまう被害も考えられます。
家屋に近い場所にミツバチの巣がある場合は、取り除いた方がより安全といえるでしょう。
スズメバチの巣は駆除を依頼する
スズメバチは攻撃性が高く、強い毒をもっています。巣にはできるだけ近寄らず、お住まいの自治体や専門業者に駆除を依頼しましょう。
ハチ対策に役立つ薬剤
ハチとハチの巣の駆除には、フマキラーの殺虫剤が便利です。
フマキラー「ハチ・アブダブルジェット」
ハチの羽ばたき・動きを止めて、素早く退治します。巣に直接噴霧すれば、戻ってきたハチや、羽化したばかりのハチも駆除することが可能です。スプレーは最大11メートル先まで届き、危険なハチやハチの巣を離れた場所から駆除可能。薬剤成分は約4か月持続し、ハチの寄り付きを防ぐ効果が期待できます。
フマキラー「スズメバチ巣ごとキラー」
スズメバチが怖くて巣に近づけない場合でも、置くだけで成虫・幼虫を駆除する効果があります。巣から10メートル程度離れた場所に設置してください。
特殊なエサで誘い込まれたスズメバチは、エサを食べる際塗布された薬剤を体に付けて巣に戻ります。巣でエサを分け与えたり幼虫の世話をしたりする際に、薬剤が他のハチや幼虫に付着、巣ごと退治することができます。薬剤の効果は、およそ1か月持続します。
このエサはミツバチが嫌がる成分でもあり、ミツバチを寄り付きにくくする効果もあります。
ハチとひとの適正距離
ミツバチは、はちみつや蜜ろうを作るほか、花の蜜を吸う際に受粉を助けて果物の栽培に役立っています。また、スズメバチやアシナガバチは、農作物に害を与える虫を捕まえて食べる益虫でもあります。
とはいえ、人家の近くのハチやハチの巣は危険なので、ハチが家周りに集まりにくくなる工夫が必要といえます。適切に駆除することで、人やペットが安心して暮らす環境を整えましょう。