2022年4月26日 | 花・野菜の育成

【夏に強い!】家庭菜園でのモロヘイヤの育て方やコツをご紹介

青々とした葉と、独特の粘りが特徴のモロヘイヤ。モロヘイヤは夏の暑さに強く育てやすい上に、栄養価が高いことから家庭菜園でも人気の野菜です。今回は、モロヘイヤの基礎知識と育て方のポイント、栽培に必要なものと具体的な育て方や注意点についてご紹介します。モロヘイヤの育て方は簡単ですので、初心者の方もぜひ挑戦してみてください。

モロヘイヤの基礎知識

はじめに、モロヘイヤの基礎知識からご紹介します。
モロヘイヤの分類と歴史
モロヘイヤはシナノキ科またはアオイ科ツナソ属に分類され、「シマツナソ(縞綱麻)」や「タイワンツナソ(台湾綱麻)」と呼ばれることもあります。古代エジプトの王が重い病を患った際、モロヘイヤのスープを飲んで回復した言い伝えから、アラビア語で「王家の野菜」を意味するMulukhiyya(ムルキーヤ)が語源とされています。

モロヘイヤはクレオパトラも好んで食べたという説があるため、美と健康を意識してスムージーなどで摂取する人もいます。モロヘイヤはインドから中東、アフリカが原産で暑さや乾燥に強く、そのまま育てると高さは3mほどに成長します。日本には1980年代に導入され、夏の貴重な緑黄色野菜として浸透しました。
モロヘイヤに含まれる栄養
モロヘイヤは、βカロテンとカルシウムの含有量が非常に多く、野菜の中でもトップクラスに位置します。そのほか、ビタミンB群、C、Eや食物繊維も豊富に含まれます。カットしたときに出る粘りは「ムチン」と呼ばれる成分によるもので、血糖値やコレステロール値の上昇を抑え、消化器官の粘膜を保護する作用も期待できます。

モロヘイヤは、軽くゆでておひたしや和えもの、いためものや汁ものにしたり、生のままサラダやジュースやスムージーにするなどの幅広い用途があります。

モロヘイヤの育て方のポイント2つ

モロヘイヤの育て方は簡単ですが、ポイントを2つ押さえておきましょう。
① 暖かくなってから作業
モロヘイヤの原産は暑い地域なので、タネまきは4月頃、植え付けは十分に気温が上がった5月頃に開始しましょう。寒い時期に作業をするとタネは発芽しにくく、苗の場合は葉が十分に茂らない状態で花が咲き、質が悪い葉しか収穫できません。
② 側枝(そくし)を育てる
高さが30cmほどまで育ったら、先端をカットする摘芯(てきしん)をしましょう。切り口の下から出る側枝を伸ばし、ボリュームを出しながら育てればたくさんの葉を収穫できます。

モロヘイヤの栽培で用意するもの

モロヘイヤを栽培するときには、基本的な園芸ツールのほか、ベランダなどで育てるときには深さがあるプランターも用意してください。
土と肥料など
畑でモロヘイヤを育てるときは、石灰や堆肥(たいひ)、腐葉土(ふようど)、植物や魚粉などを原料とした有機質肥料を用意し、下記の手順で下準備をしましょう。プランターで栽培するときには、市販の野菜用の土を用意してください。

なお、モロヘイヤは毎年同じ場所で同じ科の植物を栽培する連作(れんさく)をしても障害が出にくい野菜です。
タネまたは苗
モロヘイヤはタネからも育てられますが、初心者の方は発芽の温度管理が難しいので、市販の苗を購入することをおすすめします。後の項目で詳しくご紹介しますが、モロヘイヤのタネには心臓の負担や下痢などを引き起こす「ストロファンチジン」と呼ばれる物質が含まれるため、扱いに注意しましょう。(タネだけでなく、若葉や完熟した茎にも含まれています)特に小さなお子さんやペットがいるご家庭では、手が届かない場所でタネを管理してください。
支柱など
モロヘイヤは支柱がなくても育てられますが、風が強く当たる場所では倒れないように支柱を使用して管理してください。支柱を立てる際は、茎を留め付ける園芸用のビニタイやひもを準備しましょう。また、土の保温や乾燥の防止用に、敷きわらなどを用意しておくと安心です。

【保存版】家庭菜園でのモロヘイヤの育て方

それでは、モロヘイヤの育て方を具体的にご紹介します。
基本の土づくり
畑の土は古い根や小石などを取り除き、下から掘り返して日光に当てておきます。植え付ける2週間ほど前には、あらかじめ石灰を混ぜて酸性の土を中和させ、堆肥(たいひ)や腐葉土(ふようど)を加えてなじませます。

植え付けの1週間ほど前になったら、元肥(もとごえ)として有機質肥料を混ぜておきましょう。プランターの古い土を再利用するときには、同様に下準備をしてから植え付けてください。
タネまきと植え付け
モロヘイヤをタネから育てるときは、4月頃に作業を開始します。タネの皮は硬いため、一晩水に浸けてから園芸用のポットに4~5粒まきます。発芽に必要な温度は30℃くらいなので、保温用の簡易的なハウスがおすすめです。双葉が開いた頃に間引き(まびき)として元気な3本を残し、本葉が1~2枚または3~4枚の頃に1本を残します。

茎の高さが15cmほど、本葉が3~4枚か5~6枚まで育ったら土に植え付けます。株の間は30~40cmくらい空け、プランターへの植え付けは2株くらいが適当です。気温が25℃より低いときには、土に敷きわらなどでマルチングをほどこして保温しましょう。なお、モロヘイヤは茎の部分を挿し木(さしき)として土に挿しておくと、新しい芽が出るのでお試しください。
摘芯(てきしん)と管理
先述したように、モロヘイヤは背が高く伸びるため、高さが30~40cmくらいになったら下の葉を3~4枚残して先端を摘芯します。切り口の下から出る側枝を伸ばし、収穫に向けて管理しましょう。

畑の水やりはほとんど必要ありませんが、連日の猛暑などで土が乾燥したときには水を与えます。プランターは、土の表面が乾いたタイミングで水やりをしましょう。風が強く吹き付ける場所では、倒れないように支柱を立てて育ててください。
肥料の与え方
モロヘイヤは肥料を好む植物のため、追肥(ついひ)として追加の肥料を定期的に与えましょう。1回目の肥料は植え付けから20日後くらいに与え、その後は15~20日くらいに1回のタイミングを目安に追肥します。モロヘイヤは生育の期間が長いため、定期的に追肥して元気な苗を育ててください。
収穫のポイント
高さが50cmくらいまで育ったら、先端の10~20cmくらいの部分を手で折って収穫します。手で折れない部分の茎は硬いため、食用には向いていません。収穫によって摘芯されると、その下から新たな枝が伸びてボリュームが出ます。

モロヘイヤの収穫時期は7月中旬~10月くらいで、夏の間は十分に楽しめます。なお、収穫期の若いモロヘイヤの葉や茎に毒性はないため、安心して食用にしてください。市販のモロヘイヤも毒性がないことが確認されているので、葉や茎も調理できます。

【参考サイト】
食品安全委員会 「Q&A詳細 モロヘイヤについて」

秋になって日照時間が短くなると黄色い花が咲き、だんだんと葉の質が落ちて収穫の量が減少します。モロヘイヤは一年草なので全体が枯れたら処分し、翌年の春にタネか苗を用意して新規に栽培してください。
水耕栽培による育て方
モロヘイヤを水耕栽培で育てるときは、キットの使用がおすすめです。底から給水ができるカップにスポンジもしくは水はけがよい「バーミキュライト」と呼ばれる土を入れ、タネを3~5粒まきます。同様に間引きをして元気な芽を1本残し、日に当てながら育てます。

水が切れないように管理し、高さが30cmくらいになったら摘芯して側枝を伸ばしましょう。根が伸びていっぱいになったときは、水をためる容器を大きいものに移し替えるなどの工夫が必要です。50cmくらいに育ったら、同様に若い茎と葉を収穫します。

モロヘイヤ栽培の注意点

最後に、モロヘイヤを栽培する際の注意点をまとめました。
実と茎に注意
タネを採取するときは、開花後に付いた実を育て、茶色く枯れてから取り出します。ただし、先述したようにモロヘイヤの実やタネ、収穫期を過ぎた茎には毒が含まれるため、タネの採取や硬い茎を処理する際は十分に注意してください。

家庭菜園で実や硬い茎を処分する際も、お子さんやペットが触らないように置き場所に気を付けましょう。なるべく実を付けないように、花が咲き次第こまめに摘み取ることをおすすめします。
茎が伸びて葉が少ない
モロヘイヤはすくすくと生長するので、気付いたときには大きくなっているケースがあるかもしれません。ご紹介したように、高さが30~40cmくらいの頃に先端を摘芯して側枝を伸ばしましょう。高さは70cm以上にならないように、こまめに収穫をしてください。
モロヘイヤの病害虫
モロヘイヤはほとんど病害虫の心配はありませんが、水耕栽培では紫外線不足や多湿の影響で「葉ぶくれ病」が出ることがあります。モロヘイヤが好む環境に近づけるためにも、日光に当てて育てましょう。また害虫にも注意が必要です。

食品成分生まれの殺虫・殺菌剤「カダンセーフ」は、食品成分由来の膜が病害虫を包んで退治。害虫は呼吸ができずに窒息死し、病原菌も栄養を得られず死滅します。屋内での使用や、お子様・ペットのいるご家庭でも安心してご使用いただけます。また活力成分の天然アミノ酸とAO(アルギン酸オリゴ糖)を配合していますので、病害虫対策だけでなく植物の生育もサポートする優れものです。

育て方が簡単なモロヘイヤは家庭菜園におすすめ

今回は、モロヘイヤの基礎知識と育て方のポイント、具体的な育て方や栽培時の注意点についてご紹介しました。モロヘイヤは途中で摘芯し、脇に出る茎を伸ばしながら収穫しましょう。実とタネの扱いに注意すれば、育て方は難しくないので初心者の方も栽培できます。

この夏は、栄養価が高くみずみずしいモロヘイヤを家庭菜園で育ててみませんか?
「カダンライフ」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。
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