ヒノキ花粉の飛散時期(いつからいつまで)と予防・対策について

ヒノキ花粉の飛散時期(いつからいつまで)と予防・対策について

スギ花粉と並んで国内における飛散量が多い「ヒノキ花粉」。スギ花粉よりも少し遅れてやってくるこの花粉もまた毎年大勢の人たちを悩ましています。

年によっては飛散量でスギ花粉を上回ることもあり、2018年の3月下旬から4月上旬にかけて、東京都心部でヒノキ花粉が大量発生しました。2019年も昨年ほどではないものの、すでに国内の広いエリアでヒノキ花粉の飛散が確認されています。

そこで今回は、各地に飛散するヒノキ花粉について、その予防や対策を解説していきます。

ヒノキ花粉とは?

ヒノキは日本と台湾のみ分布するヒノキ科ヒノキ属の針葉樹です。人工林として多く植栽されていて、日本では本州中部の福島県から九州まで分布し、スギの約半分とされる250万ヘクタールにおよびます。高さは20〜30mが主で大きいものでは高さ50m、直径2.5mになるものもあります。

ヒノキの木は雌雄同株で、1本の樹木に雄花と雌花を咲かせます。スギ同様、ヒノキも風によって花粉を飛ばすことから「風媒花」とも呼ばれる植物で、飛散する飛距離は数十km以上、ときには300km以上も離れた場所から飛んでくると言います。一日の平均温度が10℃くらいになると飛散を開始。3月下旬から~4月中旬にピークを迎える地域が多いようです。

ヒノキ花粉の大きさは直径約28〜48μm。スギ花粉に比べて薄く染色され、透明感があるのが特徴です。ヒノキ花粉症もスギ花粉症と同様に、主な症状として、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどがあげられ、目のかゆみや頭がぼーっとしたり、頭痛、喉や皮膚のかゆみやだるさ、不眠の症状などが現れることもあります。

ヒノキ花粉の飛散時期

年によっては多少飛散の開始が前後しますが、概ねスギ花粉の1ヵ月後~1ヵ月半後にヒノキ花粉が飛び始める傾向にあります。2019年は3月中旬から観測が記録されています。環境省の資料をもとにヒノキ花粉の飛散時期、飛散ピーク、飛散量を見てみましょう。

ヒノキ花粉の飛散開始日

エリア 飛散開始日
福島県 3月27日
栃木県 3月14日
東京都 3月14日
神奈川県 3月14日
山梨県 3月17日
長野県 3月26日
富山県 3月13日
静岡県 3月14日
愛知県 3月20日
京都府 3月24日
大阪府 3月19日
兵庫県 3月23日
和歌山県 3月17日
岡山県 3月23日
広島県 3月24日
鳥取県 3月17日
香川県 3月22日
愛媛県 3月23日
福岡県 3月13日
熊本県 3月13日
宮崎県 3月20日

【参考サイト】平成30年春におけるスギ・ヒノキ花粉の実測総飛散量

エリア別の特徴

エリア別の特徴

ヒノキ花粉はいつからいつまで飛散するのでしょうか?各エリア別の特徴とともに見ていきます。

北海道エリア

北海道は他のエリアと違い花粉が少ないのが特徴です。北海道ではヒノキやスギが自生せず、植林もほとんどされていないため、飛散量も少量です。

東北エリア

東北北部では飛散が少なく、南部の福島県で3月下旬から飛散が確認されています。4月上旬にピークを迎えています。

関東エリア

全国で最も花粉が飛散するのは関東エリアで、その種類も多く、季節を問わず何かしらの花粉が飛散している状況です。ヒノキ花粉は3月中旬から飛散が開始し、3月下旬〜4月上旬にかけてピークを迎えています。

中部・東海エリア

関東エリアに比べるとそれほど多くはないですが、それでもさまざまな花粉が1年中飛散しています。ヒノキ花粉は3月中旬から飛散が開始し、3月下旬〜4月上旬にかけてピークを迎えています。

関西・中国・四国エリア

ヒノキ花粉は3月中旬から飛散が開始し、3月下旬〜4月上旬にかけてピークを迎えています。

九州エリア

ヒノキ花粉は3月中旬から飛散が開始し、3月下旬にピークを迎えています。スギ・ヒノキ花粉のピークを過ぎたあとは、イネ科の花粉がピークを迎えるので注意が必要です。

ヒノキ花粉の飛散量

ヒノキの花粉の飛散量は全国的にはどうなっているでしょうか?環境省が公表している平成28年度のデータを例に見てみましょう。(注:下記データはスギ・ヒノキ花粉の総数です)

都道府県 都市 例年値(飛散量の単位は個/㎠)
北海道 函館市 678
山形県 山形市 4,516
福島県 福島市 4,817
茨城県 水戸市 9,300
群馬県 高崎市 7,365
東京都 千代田区 3,705
山梨県 甲府市 2,841
福井県 福井市 4,361
静岡県 静岡市 7,437
愛知県 名古屋市 3,284
三重県 津市 9,227
滋賀県 大津市 5,595
大阪府 東大阪市 2,227
奈良県 奈良市 5,364
山口県 山口市 3,471
鳥取県 米子市 4,207
高知県 高知市 7,370
福岡県 福岡市 3,604
大分県 由布市 5,532

【参考サイト】環境省「平成28年における都道府県別花粉総飛散量(スギ、ヒノキの総数)予測(第1報)」

全国の主要都市および特に飛散量が多い地域は以上のようになっています。ご覧のように北海道や東北北部、沖縄などを除き、ほぼ全国の地域でヒノキ花粉が多く飛散していることがわかります。またヒノキ花粉のピーク時期ですが、こちらは概ね3月上旬~3月下旬となります。

飛散のピーク時期も3月に寒の戻りなどがあると、時期がずれることもあるので要注意です。ちなみに日本気象協会が発表した2019年のヒノキ花粉ピーク予測ですが以下のようになっています。

地点 ピーク時期
仙台 ピークなし
東京 4月上旬~4月中旬
名古屋 4月上旬~4月中旬
金沢 ピークなし
大阪 4月上旬
広島 4月上旬
高松 4月上旬~4月中旬
福岡 3月下旬~3月上旬

【参考サイト】日本気象協会 tenki.jp「2019年春の花粉飛散予測(第4報)

ヒノキ花粉症の予防と対策

ヒノキ花粉症の予防と対策

ヒノキ花粉によるつらい症状を防ぐにはピーク時期に入る前から予防や対策をしておくことが重要です。そこでここではヒノキ花粉症の予防と対策をまとめましたので解説します。

マスクやメガネの装用

マスクやメガネの装用

環境省が公表している資料によるとマスクやメガネの装用は体内へ侵入する花粉の量を大幅にカットできるとのことです。ちなみにどれぐらいの量の花粉をカットできるのかは以下の表をご覧ください。

鼻内花粉数 結膜内花粉数
マスクなし
メガネなし
1848 791
通常のマスク
通常のメガネ
537 460
花粉症用マスク
花粉症用メガネ
304 280

【参考サイト】環境省「Ⅲ. 花粉症の予防と治療」

上の表は「マスクなし・メガネなし」と「マスクあり・メガネあり」に分けて、鼻や目に入る花粉の量を比較したものです。ご覧のようにマスクの装用は吸い込む花粉の量を約1/3から1/6に減らします。

またメガネの使用も、目に入る花粉の量を約40%~65%減少させることが可能です。したがって花粉が体内に侵入しやすい外出時などは積極的にマスクやメガネを使用することを推奨します。また普段はコンタクトレンズという方も春の花粉シーズンだけは、極力メガネを使うことをおすすめします。

花粉が付着しにくい衣類を着用する

体の大部分の面積を占める衣類にも気を使うようにしましょう。一口に衣類といっても素材によって花粉が付着しやすいものと、付着しにくいものがあるからです。

着用する衣類に関しては厚生労働省も言及していますが、花粉シーズンは基本的にコートやセーターに代表されるウール素材は避けるようにしましょう。
【参考サイト】厚生労働省「平成22年度花粉症対策」

ちなみに先ほども取り上げた環境省の資料では、ウール素材およびその他の素材の花粉付着率は以下のようになっています。

素材 付着花粉率
ウール 980
化織 180
150
綿 100

※綿を100とした時の比率

ご覧のようにウール素材のみ付着花粉率が異常に高くなっています。これが花粉シーズンにはウール素材の衣類の着用がNGといわれる理由でもあります。衣類に大量の花粉が付着した状態で室内(自宅)に入れば、家中に大量の花粉が舞う可能性も高くなります。したがってスギやヒノキの花粉シーズンには綿やポリエステルなどの化学繊維の素材を使った衣類を着用するようにしましょう。

飛散量が多くなる日や時間帯の外出は控えるようにする

飛散量が多くなる日や時間帯の外出は控えるようにする

一般的に花粉の飛散量が多い日というのは以下のとおりです。

  • 晴れて気温が上昇する日
  • 空気が乾燥して風が強い日
  • 雨が降った後の翌日
  • 気温の高い日が2日~3日ほど続いた後

晴れた日に花粉の飛散量が多くなる理由ですが、これは湿度が低い晴天の日は花粉が入っている葯(やく)と呼ばれる袋が開きやすくなるためです。また雨が降った翌日は前日分の花粉も飛散させるため、飛散量が一気に増加することになります。

これら花粉の飛散量が多くなる日は大量の花粉を体内に侵入させてしまう可能性もあるので、極力外出は控えるようにしましょう。その他、花粉の飛散量が多くなる時間帯にも注意しておきたいところです。環境省による調査では、東京都千代田区エリアをダーラム法を用いて観測したところ花粉飛散量が多くなる時間帯は以下のようになりました。

  • 12:00~14:00
  • 17:00~18:00

【参考サイト】環境省「花粉症環境保健マニュアル」

このデータはスギ花粉の飛散量になるため、必ずしもヒノキ花粉にも当てはまるとは限りませんが一つの目安にはなります。日没後に花粉量が多くなる理由ですが、これは気温が高い昼間に上空に舞った花粉が日没後に落下するためと考えられています。前述の飛散量が多い日とあわせて、時間帯にも十分に注意して行動するようにしましょう。

帰宅時は玄関前で付着した花粉を払い落とす

花粉が付着しにくい衣類を着用しても、100%花粉をカットできるわけではありません。そのため、会社や学校から帰ってきた時には、一度玄関の前で立ち止まり、衣類に付着した花粉を払い落とすようにしましょう。

払い落とす時は基本的に「上から下へ」を意識してください。上から下へ落とすように払うと、花粉が舞うのを防ぐことができます。また洋服ブラシやコロコロなどのアイテムを使用するのもおすすめです。

ただし注意点としては花粉を払い落とすのに使ったアイテムは家の中に持ち込まないことです。せっかく外で花粉を払い落としたのに、花粉が大量に付着したブラシやコロコロを家の中に持ち込むと、結局花粉を室内に入れてしまうことになります。花粉を払い落としたアイテムは玄関前で保管するなどの工夫を施しておきましょう。

手洗い・うがい・洗顔をこまめに行う

ヒノキ花粉のシーズンは【外出する→帰宅する→すぐに手洗い・うがい・洗顔をする】という流れを意識しておきましょう。玄関前で衣類の花粉を払い落としても、手、鼻、口の中、顔にも花粉は付着しています。

そのため、外から帰ってきた際にはすぐに洗面所に行き、皮膚に付着した花粉を落とすことが大切です。また鼻うがいや目洗いも花粉を落とすのに有効です。ただし注意点としては水道水で行わないことです。

これは水道水には塩素などが含まれており、鼻や目の粘膜に良い影響を与えないためです。したがって鼻や目を洗浄する際は体液に近く、体に負担のかからない生理食塩水(約0.9%の食塩を溶かした蒸留水)を使うようにしましょう。

目や鼻のセルフケアについては、下記の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧下さい。
【花粉症対策】目のセルフケア – 目のかゆみや腫れなど
【花粉症対策】鼻のセルフケア – 鼻水・鼻づまりなど

洗濯物はできるだけ屋内に干す

洗濯物はできるだけ屋内に干す

春シーズンは天気も穏やかな日が多いため、洗濯物もついつい外で干したくなります。しかしスギやヒノキ花粉がピークの時期には、洗濯物は極力屋内で干すことを心がけましょう。

理由は簡単で屋外に干すことで、洗濯物に花粉が付着してしまうからです。どうしても屋外で干したいという方は、洗濯物を部屋に取り込む際に花粉をしっかりと払い落とすことを意識してください。

ただし花粉の飛散量が特に多い日は、払い落とすといった対策だけでは効果が薄いので、そのような時は晴天でも屋内で干すようにしましょう。また1日の約1/3の時間を過ごすことになる布団も、可能であれば布団乾燥機などを使用するのが好ましいです。

室内のこまめな掃除

スギやヒノキの花粉ピーク時にはどのような対策を施しても室内に花粉を持ち込んでしまいます。したがって毎日の掃除も大切な花粉対策となります。床には大量の花粉が落ちている可能性がありますので、掃除機などを使って室内の花粉を減らしましょう。

ただし花粉はちょっとした風によって上空に舞ってしまうので、丁寧に掃除機をかけることが大切です。また意外なところではエアコンが室内の花粉対策に役立ちます。エアコンを綺麗に洗浄し、花粉対策用のフィルターシートを取り付けると室内の空気と一緒に花粉も吸い込んでくれます。

その他エアコンは空気を吸い込み、空気を吐き出す構造になっているため、花粉を吸い込んだ後は綺麗な空気を排出してくれるという効果もあります。ただし注意点としてはエアコン内部は非常に汚れやすいので、エアコンで花粉対策を施す時は内部の掃除も忘れないようにしておきましょう。

規則正しい生活習慣

精神的ストレスや疲労、睡眠不足、栄養バランスの偏った食事などは免疫力の低下を招くため、花粉症の症状を悪化させやすいです。そのため、十分な睡眠時間の確保やバランスの良い食生活を心がけるようにしましょう。

免疫機能を向上させ、アレルギーに負けない体質づくりに一役買ってくれる乳酸菌、抗酸化作用があるビタミンA、C、Eを含む食材などを摂取することが大切です。その他、日常的にタバコや飲酒を行っている方は極力控えるようにしましょう。

タバコの煙には有害物質が含まれており、鼻の粘膜を刺激します。またお酒には血管を拡張させる作用があり、鼻の粘膜の腫れを引き起こします。この結果として鼻づまりの症状悪化を招くことになるので、タバコやお酒が好きな方は注意が必要です。

スギ花粉が飛散する時期から、早めの予防と対策を!

スギ花粉が飛散する時期から、早めの予防と対策を!

ヒノキ花粉は、スギ花粉よりもだいたい1ヵ月遅れて飛散します。スギ花粉症にかかっている人の約7割がヒノキ花粉にも反応するため、2つが重なると症状が重くなることもあります。

近年ではスギ花粉とヒノキ花粉が同時期に飛散することもあるため、花粉対策としてはスギ花粉が飛散する時期から備えておきたいものです。予防と対策を習慣化させて、花粉シーズンを乗り切りましょう。


【まとめ】花粉症の予防と対策

  • マスクやメガネなどを着用する
  • 花粉が付着しにくい衣類を着用する
  • 飛散量が多くなる日や時間帯の外出は控えるようにする
  • 帰宅時は玄関前で付着した花粉を払い落とす
  • 手洗い・うがい・洗顔をこまめに行う
  • 洗濯物はできるだけ屋内に干す
  • 室内はこまめに掃除する
  • 規則正しい生活習慣を心がける
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