スギ花粉の飛散時期(いつからいつまで)と予防・対策について

スギ花粉の飛散時期(いつからいつまで)と予防・対策につい

花粉と聞いて、ほとんどの人が真っ先に連想されるのがこの「スギ花粉」ではないでしょうか。中にはその名を聞いただけでかゆみが増しそうになる人もいるのでは?

スギ花粉は花粉の中でも飛散地域が広く、飛散する時期も長いため、花粉症の人たちがもっとも警戒する花粉と言えます。そこで今回は、すでに各地域に飛散するスギ花粉の飛散時期と、その予防や対策について解説していきます。

スギ花粉とは?

スギ花粉とは?

スギ花粉は、文字通りスギの花粉によって生じるアレルギー症状。飛散時期には北海道から九州まで広い範囲に飛散し、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」「咳」「肌のかゆみ」などのつらい症状を引き起こすとされています。

日本でもっとも多いスギ花粉症は、およそ2500万人が罹患(りかん)しているとも言われ、まさに国内を代表する花粉です。早いところでは2月頃からピークを迎え、4月頃まで飛散。地域によっては9〜12月頃にかけ再び飛散します。

スギ花粉の大きさは約30μm〜40μm、これは大気汚染の原因となるPM2.5の約12倍の大きさに相当します。また、スギは風によって花粉を飛ばすことから「風媒花」とも呼ばれる植物で、飛散する飛距離は数十km以上、ときには300km以上も離れた場所から飛んでくると言います。一日の平均温度が10℃くらいになると飛散を開始。特に2〜3月にピークを迎える地域が多く、その頃のスギ山では大量のスギ花粉が発生し、あたり一面を黄色の霧がかかったような状態となります。

スギ花粉は飛散量が多い時期と少ない時期がありますが、農林水産省の外局となる林野庁によるとスギ花粉は花粉が形成される前年の夏の気象条件と密接な関係にあり、具体的には日射量が多く降水量が少ないと翌年の花粉生産量が多くなるとされています。

スギ花粉の飛散時期

地域にもよりますが、2月から飛散が開始され、3月から4月にかけてピークを迎えます。スギ花粉は非常に小さな米粒大の雄花の中に平均で約40万個詰まっていると言われています。

雄花は夏に芽が形成されるので、前年の7月~8月の夏の気象条件によって飛散量が変わってきます。この夏の時期に雨が少なく、日照時間が長い日が続くと雄花の成長が促されるため、翌年春の花粉量が多くなります。

スギは12月に休眠に入りますが、3月以降に気温が高くなると成長が促進されて開花が早まります。この影響で3月~4月にかけて大量の花粉を放出するといわれています。環境省が発表した資料によると全国の主な地域のスギ花粉飛散開始日は以下のようになっています。

地域・地点 スギ花粉飛散開始日(例年値)
北海道 4月7日
福島県(東北) 2月25日
東京都(関東) 2月12日
神奈川県(関東) 2月9日
山梨県(甲信) 2月17日
富山県(北陸) 2月24日
愛知県(東海) 2月22日
大阪府(関西) 2月20日
兵庫県(関西) 2月20日
岡山県(中国) 2月17日
愛媛県(四国) 2月8日
福岡県(九州) 2月9日
宮崎県(九州) 2月13日

【参考サイト】環境省「平成30年春におけるスギ・ヒノキ花粉の実測飛散量」

エリア別の特徴

スギ花粉はいつからいつまで飛散するのでしょうか?各エリア別の特徴とともに見ていきます。

北海道エリア

北海道は他のエリアと違い花粉が少ないのが特徴です。スギ花粉は4月前後に飛散しますが少量です。ただしシラカンバ(カバノキ科)の花粉は4月〜6月にかけてやや多めに飛散します。また6月にはイネ科の花粉も多少飛散します。

東北エリア

東北エリア花粉の飛散が非常に多いエリアです。特にスギ花粉は2月下旬〜4月中旬をピークに、長いところでは6月頃まで飛散します。また春から秋のおよそ半年以上の期間、イネ科の花粉も飛散します。

関東エリア

全国で最も花粉が飛散するのは関東エリアで、その種類も多く、季節を問わず何かしらの花粉が飛散している状況です。スギ花粉は2月前半〜4月をピークになり、地域によっては6月末ごろまで続きます。また少量ですが、早いところでは9月ごろからスギ花粉が飛びはじめます。

中部・東海エリア

関東エリアに比べるとそれほど多くはないですが、それでもさまざまな花粉が1年中飛散しています。スギ花粉は2月後半〜3月中旬をピークに5月中旬ごろまで飛散します。

関西・中国・四国エリア

スギ花粉は2月後半〜3月をピークに、長いところでは5月中旬ごろまで飛散します。またほぼ1年中、イネ科の花粉が飛散するのも特徴です。さらに9月〜10月にかけては、ヨモギ属やブタクサ属にも注意が必要です。

九州エリア

スギ花粉は2月前半〜3月中旬をピークに、長いところでは5月中旬ごろまで飛散します。スギ・ヒノキ花粉のピークを過ぎたあとは、イネ科の花粉がピークを迎えるので注意が必要です。

スギ花粉の飛散量

環境省が公表している別の資料によると全国のスギ、ヒノキ花粉飛散量の例年値は以下のようになっています。

都道府県 都市 例年値(飛散量の単位は個/㎠)
北海道 函館市 678
山形県 山形市 4,516
福島県 福島市 4,817
茨城県 水戸市 9,300
群馬県 高崎市 7,365
東京都 千代田区 3,705
山梨県 甲府市 2,841
福井県 福井市 4,361
静岡県 静岡市 7,437
愛知県 名古屋市 3,284
三重県 津市 9,227
滋賀県 大津市 5,595
大阪府 東大阪市 2,227
奈良県 奈良市 5,364
山口県 山口市 3,471
鳥取県 米子市 4,207
高知県 高知市 7,370
福岡県 福岡市 3,604
大分県 由布市 5,532

※上記の飛散量にはヒノキ花粉も含まれています

【参考サイト】環境省「平成28年における都道府県別花粉総飛散量(スギ、ヒノキの総数)予測(第1報)」

全国の主要都市および特に飛散量が多い地域は以上のようになっています。ご覧のように北海道や沖縄を除く、ほぼ全国の地域でスギ花粉が多く飛散していることがわかります。またスギ花粉のピーク時期ですが、こちらは概ね3月上旬~3月下旬となります(北海道は例年4月下旬から)。

飛散のピーク時期も3月に寒の戻りなどがあると、時期がずれることもあるので要注意です。ちなみに日本気象協会が発表した2019年のスギ花粉ピーク予測ですが以下のようになっています。

地点 ピーク時期
仙台 3月中旬~3月下旬
東京 3月上旬~4月上旬
名古屋 3月上旬~3月中旬
金沢 3月中旬~3月下旬
大阪 3月上旬
広島 3月上旬
高松 3月上旬~3月中旬
福岡 2月下旬~3月上旬

【参考サイト】日本気象協会 tenki.jp「2019年春の花粉飛散予測(第4報)

2019年は東京のみピーク期間が長くなる(例年は3月上旬~3月中旬)と予想されていますが、その他の地域では概ね例年通りにピークを迎えるとのことです。また上記のデータはあくまでも「スギ花粉のピークの時期」となります。前述のようにスギ花粉の飛散が観測されるのは全国的に2月からとなりますので、毎年スギ花粉で悩まされる方は早めの対策を施しておくことがポイントです。

スギ花粉症の予防と対策

スギ花粉症の予防と対策

スギ花粉によるつらい症状を防ぐにはピーク時期に入る前から予防や対策をしておくことが重要です。そこでここではスギ花粉症の予防と対策をまとめましたので解説します。

屋外ではメガネ・マスクを使用する

マスクは市販のものでも問題はありません。マスクを装着すると体内に入る花粉の量を約3分の1~6分の1に減らしてくれると言われ、またマスクの内側にガーゼを当てることで(インナーマスク)99%以上の花粉を除去できたという調査結果もあります。

<インナーマスクの作り方>
準備する物:市販の不織布マスク、市販のガーゼ、化粧用のコットンのみ

  1. ガーゼを縦横10㎝程度に切り、2枚用意
  2. 化粧用のコットンを丸めて、1枚のガーゼでくるむ(インナーマスク)
  3. 市販の不織布のマスクにもう1枚のガーゼを4つ折りにしてあてる
  4. 鼻の下にガーゼでくるんだコットン(インナーマスク)を置く
  5. 3 のガーゼをあてたマスクを装着する
  6. 息が苦しい場合にはコットンの厚さを半分にする

【参考サイト】環境省「Ⅲ.花粉症の予防と治療」

またメガネをした場合、目に入る花粉の量を約40%減らせることが環境省の発表でわかっています。防御カバーが付いた花粉症用のメガネの場合、約65%も減少できると言います。

長い髪の毛は束ねる

花粉は顕微鏡で見ると突起がり、髪の毛にも付着しやすい形をしています。髪の毛が発する静電気も小さな花粉を引き寄せる原因となります。髪の毛に付着した花粉は目、鼻、口から体内に入り症状を引き起こすことにもなります。

髪の毛が長い場合は束ねておくことで花粉の付着を軽減できます。帽子を着用するのもおすすめです。

洋服などの素材を工夫する

ウールなどの素材は花粉が付着しやすく、また静電気が発生しやすいため、花粉を引き寄せやすいという特徴があります。一方、ポリエステル、ナイロン、革製品などの表面がツルツルした素材は花粉がつきにくいとされています。

ちなみに環境省では「素材による花粉付着率」というデータを公表しています。

素材 付着花粉率
ウール 980
化織 180
150
綿 100

※綿を100とした時の比率

【参考サイト】環境省「Ⅲ.花粉症の予防と治療」

晴れの日、風の強い日の外出は控える

スギ花粉のシーズンは、花粉飛散量をこまめにチェックしておくようにしましょう。一般的に花粉の飛散量が多くなる日の特徴は以下のとおりです。

  • 風の強い日
  • 雨の日の翌日の晴れた日
  • 気温が高くなる午後
  • 気温の高い日が2日~3日ほど続いたあと
  • 日没後(18時~19時)

スギ花粉は午前中に気温が上がりはじめると同時に飛散を開始、数時間後に都市部に到達するため午後に飛散量が多くなるという特徴があります。

また、意外なことに日没後にも花粉の飛散量が増えますが、これは上空に舞った花粉が日没後に落下するためと考えられています。スギ花粉の飛散量は天候に左右されやすいため、花粉情報チェックを怠らないようにしましょう。

帰宅時は花粉を払い落としてから家の中に入る

スギ花粉のピーク時には、どんなに注意していても多少の花粉は付着してしまいます。そこで、仕事や学校など、外から帰宅した際には玄関で一度立ち止まって衣服に付着した花粉を払い落とすようにしましょう。

付着した花粉を払い落とす時のコツですが「上から下へ」を意識してください。このとき叩くように払うと、衣服によっては花粉が繊維の中に入ってしまうのでご注意ください。

手洗い・うがい・洗顔を徹底する

花粉は衣服だけではなく肌にも付着しています。そのため、帰宅後は手洗い、うがい、洗顔を心がけましょう。手に花粉が付着したままで顔などに触れたりすると花粉が体内に入る恐れがありますので、まずは手洗いをしっかりと行うようにします。

うがいは喉に付着した花粉を除去する効果が期待できます。また洗顔は鼻や目の付近にも花粉が付着していますので、これらの花粉を落とすように行います。

人工涙液(涙に近い成分の目薬)を使って目の中を洗うのもおすすめです。特に目のつらい症状で悩まされている方は試してみましょう。

目や鼻のセルフケアについては、下記の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧下さい。
【花粉症対策】目のセルフケア – 目のかゆみや腫れなど
【花粉症対策】鼻のセルフケア – 鼻水・鼻づまりなど

免疫力や自律神経を整えておく

花粉症の症状を悪化させる原因には、自律神経の乱れや免疫力の低下も関係しています。そのため、これらを安定させるための、規則正しい生活習慣も取り入れることが重要です。睡眠不足などは免疫やホルモンバランスを崩してしまう直接的な原因となります。夜ふかしは控えるようにし、早めの就寝を心がけるようにしましょう。

寝つきが悪いという方は寝具を変えてみたり、38℃~40℃ほどのぬるま湯に浸かるなどの工夫を施すことでリラックス効果を得ることができ、睡眠の質も高めることができます。

ヨーグルトで腸内環境を良好に

ヨーグルトで腸内環境を良好に

腸には体内の免疫細胞の約6割が集中していると言われています。そこでヨーグルトなどで乳酸菌を摂取したり、納豆などの発酵食品を取り入れて腸内環境を良好にしておくことがおすすめです。

ストレスを解消する

自律神経の乱れや免疫力の低下はストレスによっても引き起こされます。そのため、普段の仕事、生活でストレスが蓄積されている方は、休日に趣味やスポーツを楽しみながらストレス解消に務めてみましょう。

飲酒や喫煙は控える

お酒好き、タバコ好きの方は多いと思いますが、これらは花粉症の症状を悪化させる原因にもなります。花粉症の方がアルコールを摂取すると鼻の粘膜に充血やうっ血を起こすことになります。

結果として、鼻づまりの症状がさらに悪化する可能性もあります。またタバコの煙に含まれる化学物質も鼻の粘膜を刺激するため、花粉症の症状を増幅させる要因のひとつです。ちなみにタバコに関しては受動喫煙も避けるようにするのがポイントです。

シーズン前に病院で治療を受けておく

スギ花粉の飛散が観測されるのは1〜2月からとなりますが、厳密にいえば飛散開始日と認められる前からわずかな量のスギ花粉が飛び始めます。そのためピーク時期を迎えてからの対策では手遅れの状態となることが多いです。

そこで検討しておきたいのが、シーズン前に病院で治療を受けておく方法です。これはさまざまな病院やクリニックで推奨されていて、スギ花粉が飛散しはじめる前に治療を受けておくと症状の軽減が期待できます。

花粉症の予防治療では抗アレルギー薬、抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエン薬などの薬物治療が一般的です。これらは肥満細胞から放出される刺激物質のロイコトリエンやヒスタミンを抑えるなどの効果が期待できます。

また薬物治療の他にも減感作療法(花粉症を発症しにくい体質に変化させていく)や鼻の粘膜にレーザーを照射するレーザー治療といった治療法もあります。

しっかりとした知識を身につけて、早めの予防と対策を!

しっかりとした知識を身につけて、早めの予防と対策を!

スギ花粉は、早い地域では1月中から飛散が観測されています。本格的ピークに突入する前に、しっかりと知識を身につけておくようにしましょう。

微小な花粉はどんなに気をつけていても衣服や肌についてしまうもの。それでも被害を最小限にとどめるために、下記の徹底した予防と早めの対策を心がけてください。


【まとめ】花粉症の予防と対策

  • 外出時はマスクやメガネなどを着用する
  • 長い髪は束ねておく
  • 衣服は花粉がつきにくい素材のものを
  • 花粉情報をこまめにチェックする
  • 花粉の飛散量が多いときは外出を控える
  • 晴れの日、風の強い日の外出は控える
  • 帰宅時は衣服についた花粉を払い落としてから家に入る
  • 手洗い、うがい、洗顔を心がける
  • 免疫力や自律神経を整える
  • 腸内環境を良好にしておく
  • ストレスを解消する
  • 飲酒や喫煙は控える
  • シーズン前に病院で治療を受けておく
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